2004/10/30

2つの家族


新潟県中越地震で土砂崩れに巻き込まれてなくなった、皆川貴子さんと長女真優ちゃんの通夜が29日に行われた。単身赴任で東京に離れて暮らす夫の学さんは妻と長女の優しくて楽しい思い出を語ったとの話を聞いた。
夫であり父である学さんの気持ちを考える。

また、イラク人質事件の香田さんのお母さんとお兄さんが東京の日本外国特派員協会で記者会見した。お母さんは消え入りそうな細い声で息子の事を話された。

この2つの家族は、つい1ヶ月前までは自分たちがこのような状況に身を置かれるとは思いもしなかったと思う。現時点の僕の様に。でも、もしかすると明日にでも自分の身に降りかかるかもしれない話だと考える。もしかすると被害者の立場になっているかもしれない。

だから何だと言われたら、ただそう思ったとしか言いようがない。何の益にもならない話かもしれない。ただそう思うからこそ、この2つの家族に思いは募らせ、かつ身につまされる感情が沸いてくるような気がする。多分僕と同じ気持ちになっている人も多いと思う。

何かおきた時に、自分の力で対応できる人は、ごく限られた人のような気がする。ビルゲイツの様なお金持ちか、どこぞの国のフィクサーの様な人か、腕力が異常に強い人とか・・・

僕などはその点全くだめだ。香田さん一家と同様に、最初は何をしたらよいのか全くわからないと思う。そして実際の対応は人に頼むしか方法はない。

災害時と香田さん救出への対応に、国がどの様な行動をしてくれるかで、安全で安心してこの国で生活を送れるかが見えてくるような気がする。人が自由に発言し行動し、かつ働くためには、安全と安心感が必要だと僕は思うからだ。

依然として8万人以上の方が避難生活を送られている。家は壊れ、先祖から住み慣れた村は廃村の可能性さえある。何とか早く元の生活に戻れるように、そして香田さんが無事に生還できるように、国はどう行動するのだろうか、そして僕は何が出来るのだろうか。

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