2004/11/14

「隠し剣 鬼の爪」の感想にならない感想

「隠し剣 鬼の爪」を見に行きました。実を言うと映画のことを今まで多く書いているけど、感想を述べ るのは正直苦手です。何故かというと、見る映画が全て好きになってしまい、あまり批評が出来ないからです。勿論、批評をするために映画を見るのは本末転倒 だと思うけど、僕の場合、大抵感想は「面白かった」「良かった」で終始してしまう。これも大いに考え物だと思うのです。人に言わせると幸せな観客、映画監 督が最もメディアにインタビューさせたい客となるそうです・・・(笑

その例にもれず「隠し剣 鬼の爪」も良かったです(笑
これから見る人もいると思うので、ネタばらしはやめにします。でもすじに関係ないところの話を幾つかします。

僕 がこの映画を観る前に一番気になったのは「鬼の爪」ってどんな剣法?って事でした。何故隠し剣なのか?何故限られた弟子にだけ相伝するのか?何故果たし合 いの時には使えない剣なのか?それが見終わった時にはわかって良かったです。もうこれだけでもこの映画を見て良かったと思いました。それから、主人公にだ け「隠し剣 鬼の爪」を相伝した理由も、彼が正直で誠実だからこそなんだろうなぁって思いました。それも「鬼の爪」ならではの理由ではないかなと思いま す。だから、この映画は男女二人を軸に描かれていますが、タイトルに偽りはないと言うのが正直な感想でした。

江戸時代の人達の恋愛感情は あんな感じなのでしょうか?が次ぎに思った事です。とにかく男女の恋愛は受け身過ぎるような気がしました。男は嫁を迎えるのは良いとして、女性は結婚に対 して完全に受け身だったのですかね。あの映画を女性が見てどの様に感じたのか話を聞いてみたいと思いました。勿論映画の感想に関して、女性との性差はない のかもしれませんけど、男性社会の中で生きてきた女性からみると、あの映画はどの様に映るのかが、見終わった時に少し気になりました。そして、もしかする とこの映画を良い映画と評する男女の割合は、圧倒的に男性の方が高いのでは・・・などと考えてしまいました。
何処がと言われると困ります。第一映 画の時代は江戸時代ですし。でもそう言う視点で、もう一度あの映画を考えると、現代に何を言いたいのか正直わからなくなってしまいました。何か、考えよう によっては「らしさ」を強要されている感じもして、少しずつ評価が下がる感じもします。それは視点の問題かと思えば良いのでしょうけど。

映画が始まる前に、いつもの事ながら多くの予告編がありました。その中で幾つか見たいなぁって思わせる映画もありましたけど、それ以上に僕が面白いと思った のは、映画の広告って一種のプロバカンダ広告だと思うのです。予告編に使われている手法ってそんな感じがします。うまく心理学を使っていると思うし。でも 一度に多くのプロバカンダと思わせる映像(予告編)を見せられると、逆に冷めてしまうものですね。見せて効果がでるプロバカンダって量も関係するのではと 思いました。

以前に「エマ」の内容をブログで書きました。書いた時点では、日本のメイドの事なんて少しも頭に入っていませんでした。でも この映画は、ある意味「エマ」ですよね。侍と下働きの女性の話なんですから。そして「昔の日本にも、同じ国に2つの国があったんだなぁ」って思いました。 そこから転じて、1つの国に複数の国がある事って、その複数分の差別があるって事なんですよね。そんな単純な事に気がつきました。

映画の話に戻りますけど、主人公の剣術の先生役(田中 泯)って、「たそがれ清兵衛」にもでていたけど、格好いいなぁって思いました。ということで、画像は田中 泯です。

とりあえずそんな感じです。

0 件のコメント: