2004/11/02

警察の事情調書


今朝、**警察署から電話があった。盗難にあったバイクの事情調書を取りたいと言うのだ。
勿論任意ではあるけど、バイクの状態が気になった僕は**警察署に行ってきた。

出てきたのは50代くらいの、髪に白髪が半分くらい埋まっているメガネをかけた男性だった。
顔には刑事特有の厳しい表情で眉間に皺を寄せてはいるが、笑うと子供っぽい表情になり、妙に安心感を抱かせる。口調は穏やかと言うより、どことなく急いていて、それでいて苛つかせるわけでもなく、子供っぽい急かしと言うのが僕の印象だった。

待ち合わせの時間は、午後の12時頃だったけど、出るのが遅くなり、途中で電話をして1時に変えてもらった。受付には、少し年配の男性が座ってい て、まずは入館バッチをもらう。もらう際には、何も記帳はせずに、ただ盗難バイクの調書作成のために来たと告げるだけで済んでしまった。後から思うと、セ キュリティ上これで大丈夫なのか?と思ったけど、今回の来署の場合は手間がかからなくて良いと思った。
3階の盗難課の組織盗難係に行く。そして冒頭に述べた刑事が出てくるのだが、名刺をもらうと係長となっていた。

実は調書作成には少なからず時間がかかる。その手間を惜しんで、事前に電話で警察の方と話していた。だから、調書作成と言っても、既に来る前に作ら れていて、電話で話した内容通りかの確認だけすればよい。今回の場合、細かなところで何点か修正があったが、僕の話した内容と相違はなかった。

その点を確認した後に、彼は少し沈んだ顔をして話した。これからバイクを見てもらいますけど、解体されていますので、ご覧になるとショックを受けると思います・・・。

正直言って、その気遣いは僕には無用だった。愛着があるからと言っても、バラバラになっているのは機械で道具なのだ。機械であれば、また組み直せばいい。問題は、その組み直す費用をどうやって捻出するかだ・・・

そのまま二人でエレベーターで地下に下りる。大きな木造コンテナが2つおいてあった。そしてそのコンテナの中に、バラバラになった僕のオートバイがそこにあった。

窃盗犯は解体して輸出し、先の国で又組み立てる。だから、盗難バイクといえども、丁寧に扱っている。1つ1つの部品は傷を付けないように丁寧に梱包され、また無くさないように番号も振られていた。

一目見て僕は解体されていても自分のバイクであることがわかった。と同時に、先ほどの思いとは裏腹に、少し心が痛んだ。

そして、調書に自分のバイクであることを確認した事実を記載するためにポラロイドで写真を撮られた。その写真を添付することの承認を取るときに見たけど、少し複雑な表情を浮かべている僕がそこにはいた。

立件することは非常に手間がかかるんですと、彼は僕に言ったけど、それが法治国家というものだろう。警察も国家を運営する側だけど、手間がかかる事は悪いことではないと僕は思う。

今回の盗難では3台のバイクが見つかったと、以前に僕は書いたけど、再度聞いてみると24台とのことだった。そのうちの3台が立件のための証拠品扱いになり、その1台が僕のバイクだったのだ。
では残りの21台と僕のバイクを含む証拠品の3台の違いは何だったのか。素朴な疑問として彼に聞いてみた。すると、逮捕の時に犯人達と一緒にあったバイクがその3台で、現行犯的な扱いになるために立件しやすいからだったと答えてくれた。

なるほど、素朴な疑問も答えを聞くと、大抵は当たり前のような内容なんだなと思う。問題は証拠品扱いのため、容疑者グループの立件が出来た後だと返却は可能だとのことだった。そして前回と同様に明確な返却日は教えてくれなかった。

実は交通違反をのぞき、大学の時に何回か任意出頭を求められ、その都度拒否をし続けたことがある。大した内容ではないけど、対応する警察官の態度に いらだったのが拒否の理由だった。でも、今回の場合は被害者の立場と言うこともあったと思うけど、嫌な思いは一切することはなかった。

写真は初期のヴィンセント。美しいバイクだと思う。

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