2005/01/05

日韓相互意識調査アンケートの意味のなさ

「FNN(フジニュースネットワーク)と韓国のテレビ局、韓国文化放送(MBC)が日韓両国民を対象に実施した合同世論調査で、日本では韓国をパートナーとみる人が多いのに対し、韓国では日本をライバル視していることが分かった。(中略)
日本側の56・1%は韓国をパートナーだとし、ライバルとみているのは23・2%にとどまっている。これとは対照的に韓国側では、日本をパートナーとみる人は29・2%にすぎず、62・9%がライバルだとしている。(中略)
調査は、日本側では昨年十二月二十五、二十六の両日に成人男女二千人を対象に、また韓国側では同月二十二、二十三の両日、千人を対象にそれぞれ電話で実施した。」(産気新聞から抜粋

また意味のない調査を新聞社は行っている・・・

この調査は「今年は一九六五年の日韓国交正常化から四十周年にあたり、両国は相互理解を深めるため」、まずはお互いの国に対しての意識調査が目的だと思う。
それはそれで行う意味はあるのかもしれない。勿論、その意識調査の結果により何らかの対応の検討(例えば、文化交流として産経新聞社がイベントを企画する際の参考資料にするとか)が行われる事が前提だが。
ただ新聞の記事として載せるためだけに、この調査が行われたとしたら、それは全く無意味だろう。

以下に本調査の疑問点を記す。

・日韓とも有効回答は何件ずつであろうか。
・サンプリング方法はどの様な方式をとったのであろうか。世代と地域と性別など日韓は全く同じ母集団でのサンプリングを行ったのであろうか。例えば韓国側が若い世代、日本側が主婦(「冬のソナタ」ファン層)に偏る傾向がおきないように配慮する等。
・日本二千件、韓国一千件と違う理由は。
・日韓それぞれの電話アンケートの実施時間帯は。日中であれば社会人はアンケートに参加しないことになる。

電話でのアンケートを行う場合、RDDシステムによりランダムに電話をかけて、繋がった人にアンケートを行う。ただし、電話によるアンケートは断られる場合も多い。
また一般に緊急時を除き、電話でのアンケートは行わないのが通例となっている。何故なら、電話アンケートは信頼性が欠けるからだ。

それに、国毎に比較する場合、質問内容は当然として、サンプリングも両者全く同様にしなければ比較は出来ないはずである。今回の電話による日韓意識調査は、新聞記事だけを読めばひどい調査内容としか思えない。しかも、その内容で両国の比較を行っているのであるから、これは一体何を目的にしているのかと、逆に穿った見方をしてしまう。

もしこの調査に何らかの目的があり、アンケートの正当性を持たせるのであれば、記事においてもアンケートの仕方についてきちんと細かく内容を記載して欲しいと思う。

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