2005/01/23

バイク窃盗団からの手紙

バイク窃盗団が捕まり、僕のバイクは証拠品として警察が預かっていたが、2週間くらい前に引き取って下さいとの連絡があった。でも寒い事と、修理とバイク屋に運ぶ手間と金銭的な事から、もう少し警察においてもらおうと思い、手続きはまだ行っていない。

そんな中、今日見知らぬ弁護士からの封書が僕宛に届いた。「オレオレ詐欺」「フィッシング詐欺」の事件が多い中で、弁護士に対する信頼度が彼らに関係なく落ちている中、弁護士からの封書に少し緊張したが、読んでみるとバイク窃盗団の国選弁護士からだった。

手紙の内容は、窃盗団の犯人が罪を悔いている様子を、弁護士と犯人の手紙で綴られていた。具体的な内容は相手もいることなので明かすことは出来ないが、この手紙の内容が真実であれば、確かに同情する点が多い。つまり、やむにやまれぬ状況で犯罪行為におよんだと言うことだった。(誰でもそうかもしれないが・・・)

実を言うと、こういう展開になるのは予想外だった。僕にとって窃盗団は、あくまでビジネスの一形態と彼らが認識している、と信じていたからだった。勿論、これらの犯罪行為は反社会的であり、ビジネスが社会に閉じられた行為であるのであれば、ビジネスとは言えないかもしれない。

ただそこには、盗む者、分解する者、搬送する者、組み立てる者、売る者の専門分業化され、効率化を求めた形態がある事。そして何より、日本市場(盗む場所)より高く売れる市場に商品を持ち込み売る、という行為にビジネスを感じてしまったのも事実だった。

だから、窃盗団は僕にとって「ドライ」でなければいけなかったし、犯人がその行為に恥じる事があるとは想像もしていなかった。
さらに言えば「WHOに対するアンチテーゼと世界を支配するグローバル企業への反乱」などとウソぶいて欲しかった気持ちも多少あった。

例えば、日本重要文化財の掛け軸を盗み、法廷で「文禄・慶長の役で日本に略奪された文化財を取り戻すため盗んだ」とウソぶいた韓国人窃盗犯の様に。ただ、この窃盗犯の場合は歴史を用いてしまったので、根拠がない事がすぐにばれてしまったのが、浅知恵といえばそれまでの話だけど・・・

勿論、この弁護士からの手紙の内容は、日本人の心理を巧みに利用し、出来るだけ被告人の罪を軽減する為の方法かもしれない。だから人が理解しやすい犯罪動機を提示し、犯人が「人である」事を示したのかもしれない。そしてその作戦は、見事に僕には的中したようだ。

僕は彼ら犯人の罪を軽減しても良いと思っているし、その為に何をしたらよいかを国選弁護士に聞くつもりでいる。そしてその気持ちの中には、早く家族の元に戻してあげたい気持ちと、自分の妄想とは違う現実の姿を見る事で、自分がこの窃盗事件に対し気持ちが収まった事が確かにある。

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