2005/02/17

The Day After Trinity

trinity昨日のCD-ROM整理にはひとつの目的があった。
それは同じくCD-ROMソフト「The Day After Trinity」(日本語タイトル「ヒロシマ・ナガサキの前に」)を探すことだった。このソフトも購入したのは古いが、MACとWINのハイブリット仕様だった事もあり、現在のWIN環境でも動くかもしれないと思ったからだ。しかし昨日は見つけることができなかった。今度の土日にでも再度探す予定。


「The Day After Trinity」は1980年の米国映画。探したソフトでは、公開した映画全編とその脚本、及び映画に載せる事ができなったインタビュー記事などが、映像を鑑賞しながら読むことができる。

製作販売は「VOYAGER」。この会社は電子出版関連のソフトウェア開発と販売の歴史は古く、現在でも青空文庫に簡単にアクセスし本のように読むことができるソフト「azur(アジュール)」、個人で電子本を作成するソフト「T-TIME」等を提供しいているのでご存知の方も多いと思う。

「T-TIME」以前は「エキスパンドブック日本語版」を中心に個人の電子本製作に力を注いでいた。この「エキスパンド日本語版」の最初のバージョンはMAC専用でハイパーカードのアプリとして開発した。この「The Day After Trinity」もエキスパンドブック形式の作品となっている。かつ音と映像はアップル社のクイックタイム2.1(勿論古いバージョン)が使われる。

エキスパンドブックを見るためのソフトは今でも「VOYAGER」のサイトで手に入る。実は古いクイックタイムの動作保障が一番気になっている。なぜなら、古いバージョンのクイックタイムは、現行の最新バージョンでは実質的に上位互換になっていないように思えるからだ。MAC用はそんなことはないと思うが、明らかにWIN版のクイックタイムはバージョン2を境に違うと思う。

僕の予想では、CD-ROMに内蔵している古いクイックタイムをそのままインストールすることになる感じがして少し怖い。つまりクイックタイムは二つのバージョンが同じPCに在ることになり、動作が不安定になる可能性が高くなるような気がしている。悪い予感が当たらなければ良いが、多分こういったことはあたる・・・・

映画「The Day After Trinity」を見られた方も多いと思う。オッペンハイマーの伝記を中心にした原子爆弾の開発記録映画だ。ちなみに「Trinity」とは世界最初の核爆発実験に使用した原子爆弾のコード名のこと。

最近オッペンハイマーのことが気になっている。科学者として技術開発の責任はあるのだろうか、という古くからの命題を考えていて、彼のことを知りたいと思ったからだ。
この「科学者」は「技術者」でも「専門家」でも良いが、例えば仮に、システム開発者が政府等のスポンサーから命じられるまま画期的な監視システムを構築し、そのシステムによって監視社会が成立した時、開発した開発者に責任はあるのか、といった問題に通じる。

世の中には多くの評論家たちがいて、マスコミなどで社会システムについて論じているが、彼らがいくら論じたとしても人に直接影響が出ることは少ない様に思う。ただ、僕らに見知らぬ所で開発されている新技術、新発見などは、時として僕らの生命と暮らしに影響を与える。

先日、「ロバート・オッペンハイマー―愚者としての科学者」(著者 藤永 茂)を図書館から借りて読んだ。この書については別途このブログに紹介と感想を載せるつもり。

オッペンハイマーは「原爆の父」と呼ばれている。彼の事は、科学者の道義的責任の話題になれば、ゲーテのファーストのような扱われ方をしてきた。確かに記録として残っている彼の言動を見れば、そのような解釈も取ることは可能だろう。しかし、この本にも書いているが、彼を悪者にすることで誰が得をするのかと考えていくとき、見方は違った様相を呈することになっていく。その点がこの本の面白いところだった。

追記:VOYAGERのサイトを調べたら、今でもこの作品は売っていた。しかも、Windows98とクイックタイム3以上の対応を行ったとの事・・・興味のある方はここで紹介しています。

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