2005/05/09

LOVELOGトラブルの行方

企業で顧客重視と言うが、そこでいう顧客とは、言うなれば顧客イメージのことだと思う。
実体としての顧客と顧客イメージの関係は切断されている。顧客イメージは、問い合わせを受けたオペレータがカスタマ用DBに内容を入力した時点から始まる。それらは分類・集計し件数として費用対効果の資料となる。効果があれば対応するだろうし、効果がなければ勿論対応しない。対応しない結果、当該サービスをやめる人もいるだろうが、それも当然に企業としては見込んでいる。

顧客イメージは企業内であたかも顧客の実体として語られるが、実際は企業内政治の道具として使われる。要するに、企業内の各部署毎によって、一つのサービス利用顧客でもその姿は違う。それはイメージだから、各部署の社内政治に都合良く作られることになる。

LOVELOGのトラブルについて、最近まで知らなかった。アクセス解析もランキングの気にしたことがないのだから、止まっていることさえ知らなかった。LOVELOGはDION利用者のみに提供することから、上限は既に決まっている。それ故に油断が設備計画上においてあったのだと思う。

KDDIが直接LOVELOGを運営しているのかどうか不明だが(多分していない)、ブログに対してKDDIが消極的なことは良くわかる。仮にブログが新たなビジネスモデルの核となる場合(KDDIはそう考えていないようだ)、既に大きく出遅れてもいる。つまり、KDDIにとってのブログ提供は単なる顧客囲い込みでしかない。ブログ利用者はDIONから離れづらくなる、と言う目算だろう。

囲い込みとしても、マーケティングの立場からは非常に弱い位置づけであるのは間違いない。KDDIはauで利益を得ているから、投資はauに向けられることだろう。さらに、ネットでは光プラス、メタルプラスに向かっているので、ブログの存在はとてつもなく小さいのは誰でもわかる。

DION利用者でのLOVELOG利用率がどのくらいなのかは知らないが、今回のトラブルによるDIONからの離反率は盛り込み済みかも知れない。その上で解決までの期限を決めていることだろう。

恐らく今回のトラブルで、他のサービス案件を含めて様々な思惑による社内政治(KDDIという企業の中ではゴミのような規模だと思う)が動いていることだと思う。さて、トラブルの行方は何処で落ち着くのだろうか。今のところトラブル対応としては想定内ではある。
実は、ブログの可能性を捨てているプロバイダとしてのDIONの今後に少しだけ興味を持っているので、そう言う面で今回のトラブルを見ている。

そう思っていたら、KDDIは携帯電話(au)向けのブログサービスを開始するらしい。そのサービスは携帯電話とPCでの更新可能らしい。KDDIの中では、恐らくLOVELOGとauは事業部が違う(体制表から見て)。それ毎の顧客イメージの違いで複数のブログサービスを立ち上げることになる。無駄言えば無駄な話だが、KDDIというシステム上それはそれで立ち上がるべくして立ち上がったサービスのようにも思える。

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