2006/05/06

MEMO 「アイヌ文化の保存継承に尽力 萱野茂さん死去」

アイヌの英雄叙事詩ユーカラを紹介するなどアイヌ文化の振興に多くの功績を残し、参院議員も務めた萱野茂(かやの・しげる)さんが、6日午後1時38分、急性肺炎で死去した。79歳だった。通夜は11日午後6時30分、町葬は12日午前10時から、いずれも北海道平取(びらとり)町本町88の1の中央公民館で。喪主は妻れい子さん。自宅は同町二風谷(にぶたに)79の1。
26年二風谷生まれ。造林、炭焼き、木彫りなどをしながらアイヌの民具や民話を集めた。72年平取町に二風谷アイヌ文化資料館を開館、館長などを務めアイヌ文化の保存継承に尽力した。94年に参院比例区で、社会党(当時)から繰り上げ当選。その後、民主党に移った。アイヌ民族初の国会議員となり、アイヌ文化振興法の成立などに尽力した。国会ではアイヌ語を交えて質問した。4年間務め、98年に引退した。
アイヌ語の散文詩をまとめた「ウエペケレ集大成」を刊行し、75年に菊池寛賞を受けた。50年間かけて収集したアイヌの生活用具1121点は、国の重要有形民俗文化財の指定を受けた。
同町の二風谷ダムを巡っては「アイヌの聖地が奪われる」と建設に反対し、アイヌ民族を先住民族と認めない国を提訴。97年の札幌地裁判決で「アイヌは先住民族」とする判決を受けた。
(朝日新聞 2006年5月6日記事全文)

ご冥福をお祈りいたします。

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