2012/06/18

おじさん図鑑

姉に聞いて初めて知った「おじさん図鑑」。巷ではかなりの人気図書らしい。人気が出ようが出まいがそんなことで本に対する興味を持つことはないが、タイトルがこうであれば少しは気になる。僕は一体どこにカテゴライズされているのだろう。

そういえば、おばさん研究の本はかつてあった、女子高校生も女子大生もはたまたOLとか主婦についても。でもおじさんを主にしたこの手の本は未だなかったようにおもう。それは何故かというと、結局の所出版されても売れないと思われていたということだろう。この手の書籍の購買層は若者とくに女性に興味が持たれなかったら売れるはずもない。逆に言えばおじさんの生態が若い女性にとって不思議で面白く見られるようになったということなのだろうか。

ネットでこの本を解説していた。そのなかで中高年男性女性に「自分を中高年と思うか」と聞いてみたのだそうだ。その結果は二十数パーセントの男性女性が「イエス」とのことだった。つまり残りの七十数パーセントは「ノー」ということになる。この数値を高いとみるか低いとみるかはどっちでもいい。それ以前にこの設問自体がおかしい。「おじさん」も「おばさん」も他称であって自称ではない。自称だとする場合、どこかに意識の線引きをする必要があるが、流れている意識の中でそんなものを持つ理由もない。つまり他称から始まり、結果的に人にいわれる前に自称するようになるということだろう。無論制度的には中高年・高齢者などの定義は決められているとは思う。ただそれはあくまでも年齢的なことであって、「おじさん」「おばさん」のように外見が主と思われる区別とは全く違う。勿論「おじさん」も「おばさん」も当然に年齢と無関係であるはずはない。ただ単純に年齢だけでもないのが実際で、僕的にいえば社会との関わり方の違いが表面化しているだけのように思っている。

一言で言えば、「おばさん」はローカル化し、「おじさん」はフロート化する。おばさんのローカル化はこれはよく知られている。全国誌のファッション雑誌を読んでいたOLまでは全国何処に行っても同じような姿をしている女性達は結婚し子供が産まれ専業主婦化すると地域の知人達の中で同化していくという道筋となる。ではおじさんのフロート化とはどういうことかといえば、企業の中で働き、その中で文化とか価値観が養われ、それが定年後に企業から離れても捨て去ることは出来ずに、かといって企業というある意味共同体にも属しておらず、ただただ浮いていくということだ。

フロート化し地域にも同化せずにただ浮いていくことになれば、逆に言えばそりゃ生態的に興味深い(面白いという意味で)人たちが揃っているに決まっている。それらの人たちをどのように書籍にしているのかが興味がある。

さてと、こんど書店で立ち読みでもしてきますか(笑

0 件のコメント: