2009/12/08

ポパイ

Googleの検索サイトに行ってみたらロゴがポパイだった。
調べてみるとポパイの原作者であるエルジー・クライスラー・シーガーの誕生日なのだそうだ。ポパイにも原作者がいたんだ、という当たり前のことが最初の印象。そりゃぁいるだろうと即座にアホな疑問を打ち消したけど、それが率直な感覚だった。だからエルジー・クライスラー・シーガーも今回初めて知った。

でもこのGoogleのロゴはポパイの雰囲気を良く出している。網掛けの色使いからくるポップな感覚は今でも十分に通用しそうだ。

ポパイと言えばほうれん草、ほうれん草会社がこの漫画のスポンサーであると真しやかなうわさが流れたことがあった。しかし、ほうれん草会社のイメージが全く浮かばなかったし、ほうれん草の缶詰だって売っているものを見つけたこともなかった。

ポパイは今の漫画と較べれば品質面で劣るように思うが、それでも観てしまえば最後まで見てしまう面白さがあった。何よりも難しいことなどどこにもない大らかさ、オリーブとブルータスとの絡みの単純さ、結末がわかる安心感が、そこにはあったように思う。しかし戦前から日本に紹介されていたとは全く知らなかった。(それを考えれば十分に品質は高いとも思える)

しかもWikipediaによれば、ポパイは最初脇役だったのだそうだ。当初の主人公の名前はハム・グレイヴィ、ハムの恋人は勿論オリーブ。それが脇役であるポパイの人気が上がり、ついにはオリーブを奪い、ハムを主役から追い落とした。実はこのことに僕はとっても興味がわく。といって掘り下げるつもりもないが。

ポパイは雑誌の名前にも使われた。ご存知の通りのマガジンハウスの雑誌である。創刊が今から30年以上前だというから、すごい雑誌と言えるかもしれない。雑誌ポパイでは、そのターゲット層が10代後半から20代ということもあり、男性のことを「~少年」と呼んでいたように記憶している。今では少年はそれほど使われなくなり、変りに「女子」と対抗しての「男子」が使われるようになった。でも僕はこの「~少年」という言い方の方が好きだ。

「男子」が男性一般的な使われ方をするのに対し、「少年」には明らかな年齢の区分がそこにはある。だから使われ方としては、大人に対して少年とは言わずに、「少年のような」という言い方をする。どうも「男子」と繋がるのは「トイレ」とすぐに発想してしまう、この身の発想の貧弱さがそこにあるのも事実だが・・・

雑誌ポパイが世の中に受け入れられた理由として、よく言われるようにポップカルチャーの隆盛にある。そしてそれは深化を続け「かわいい」から派生した携帯文化で現在に至る。その経緯で外面もしくは年齢よりは、より内面の状態を前面に出した文化でもあるように僕には思える。その文化はIT技術を背景にしたヴァーチャルと自分の内面を重ねることで、自分を一種のアバター化してもいる。

ポップカルチャーの流行の一端を担った雑誌の名前がポパイであることは偶然ではないと僕は思う。ポパイの漫画の中に既にその芽が見出せるような、Googleのロゴを見てそんなことも思った。

ちなみに原作者のエルジー・クライスラー・シーガー(1894/12/8-1938/10/13)さんが誕生してから今日が115年目となる。

図補足:上が2009/12/8のGoogleロゴ、下がポパイの前の主人公で、オリーブの元彼。

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