2007/01/03
お雑煮の話
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
お雑煮は毎年食べる。大好きだ。と、言ってもこれは自宅での話ではない。毎年行く親戚宅でのお雑煮がすこぶる美味しい。親戚の奥さんが造る雑煮は、彼女が東北の青森出身であることから、その土地の味であると思っている。
実を言えば僕の母も青森出身。家は昔下宿屋を営んでいて、母は毎日学生のために夕食を造っていた、だから言わばセミプロである。それでもお雑煮だけは造ってくれた事がなかった。
一度だけ、何かテレビの影響だと思うが、子供の時にお雑煮を食べたいと母にせがんだことがある。その時に初めてお雑煮を食べた。でもそんなに美味しくはなかった。初めて食べたと言うのもあり、お雑煮とはこういう食べ物なのか、という落胆と共に自分を納得させたのは、お雑煮とは一種の儀式に近い食べ物である、という無理矢理の発見でもあった。
無論、日頃学生のために食事を造り続けている母への遠慮も、子供ながらあったのも事実だった。だからか、それ以降一度もお雑煮を造ってくれとせがんだことはない。
親戚のお雑煮を初めて食べたのは10年ほど前のことだ。初めて食べた時、今までのお雑煮に対するイメージがことごとく誤っていたのを知った。母が料理が得意であるのは間違いないが、お雑煮は苦手だったようだ。母が実はお雑煮が好きでなかった、ということを知ったのもその頃だった。
お雑煮はお国毎の味がある。お雑煮に決定版などはないと思う。単一などではなく複数の日本の正月の象徴のようにも思えてくる。この国は思った以上に懐が深く、各人のイメージの日本を常に超えている、と僕は思う。勿論、それは日本だけの話ではない。ただ自分が住む国の複数性を知ることが他国の複数性を理解できる要だと思えるのである。
PS:食べ物を写真に撮るのは慣れていない。少しも美味しく写っていない。でも僕にとっては最高のお雑煮である。
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