2006/05/28

都会に住む猫を見つめる視点で


he lives in the park Originally uploaded by Amehare.

ここ数日は雨が続き、今日久しぶりに晴れた。しかも日曜日、公園は今までの憂さを晴らすかのように人で溢れかえった。犬連れの人も多く、様々な種類の犬たちが飼い主と一緒に歩いている。楽しい一時を過ごす彼等の中で、おそらく公園に住む猫たちのことを気にかける方は少ない。

平成の教育法改正により日本の伝統音楽を学ぶ時間が増えた結果、猫泥棒が横行した。彼等は和楽器の材料として猫たちをさらった。動物愛護改正法が施行されてからは猫泥棒は少なくなったが、それでも猫たちを動物実験などの為に連れて行く人は今でもいる。

2001年から2年、公園では猫の殺害事件が頻発した。それを憂慮する有志が警察に被害届を提出した。しかし時は祖師谷の世田谷一家殺害事件捜査の真っ最中で、猫たちの殺害事件どころではなかった。

今でも時折公園で猫は殺される。傾向としては快楽殺害的な方向にいっているらしい。猫は殺され、そして人目の付くところに放置される。猫の死骸を目にした人の反応を楽しむのである。他にも犬に噛まれて殺される猫も多い。猫たちの動向は人間社会の動向に敏感に反応する。むしろ真っ先に影響を受けてるのかもしれない。猫が殺される社会。そして今では幼児が殺される。その関係を結びつけるのは考え過ぎかもしれない。年間数万人が行方不明になるこの国で、猫が殺される事を過大評価するつもりもないが、やはり何かが繋がっているかのように僕には思える。

公園横の大学の先生が毎日決まった時間に猫たちの餌を与えに来る。その方によれば、多いときで15匹以上の猫が食事をとりにきたそうである。今日は2匹しか来ていなかった。「公園の猫の天敵は犬と人間です」、先生はそう語る。

猫が人間と生活し、今では人間と共に暮らさなければ猫は生きてはゆけない。公園の猫にとって天敵は人間かもしれない、でもやはり共に助け合い生きてゆけるのも人間なのだと僕は思う。

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