2007/03/07

写真よ、ブレろ!



最近自分が撮ろうと思う写真は、美しさを排除したい、叙情性を排除したい、感傷を排除したい、色彩を排除したい、明るさを排除したい、空気感を排除したい、そんなことを願う。

あるがままの現実など信じない。ただ写真にあるのは写真でしかない。自分が見た色を信じない。自分の写真のピントを信じない。僕はおそらく自分の撮った写真を信じない。

帰り道になんでもない月夜を撮った。ビルとビルの狭間にある暗い道。空には煌々と光る月。写真を撮る動機こそが、僕にとって重要な問題であり、根本はそこにある。写真を撮る価値を認めない写真を撮りたい。

後々詰まらぬと自分自身が見向きもしない写真を撮りたい。それらの写真の集積に、おそらく僕は僕を見つける。商品価値のある「自分」ではなく、その真逆の自分。もっとブレろ!、意識せずに写真よブレろ!

0 件のコメント: