2007/12/13

幸田露伴 「五重塔」

このMEMOの参考資料もしくは引用用として造ったブログ「quotes」に幸田露伴の小説「五重塔」全文を掲載した。この全文は他のサイトから複写したものではなく、全部僕が岩波文庫から入力したものだ。

この小説は何回読んだかわからない。いつか書評を書きたいと思っている小説でもあるが、いまだに僕なりにでも掴みきれていない。ネット上にある多くの書評も読んだ。それはそれで素晴らしいものばかりだったが、何故か僕が書きたいものではなかった。だから僕のこの本に対する思いを込めて書評を書きたいと考えているのだ。

小説「五重塔」への思いはそのタイトルからきている。昔から五重塔を拝観するのが好きだった。低い伽藍の中でひときわ聳える塔は、僕にとってひとつの憧れの象徴でもある。五重塔の特徴はその高さにある。しかし五重塔は高みを目指すものではなく、梅原氏(「塔」)がいみじくも語ったように、その志向は地にある。もともとは釈迦のお墓が起源にあると聞いている。しかしその高さゆえ、例えば雷による火災で消失した例も多いとも聞く。またその高さと威容は、寺の権威も増長させる効果もあったに違いない。しかし、それらを知りながらも、やはり見上げる五重塔に憧れを抱く僕がいるのである。

どの五重塔には、その内部に心柱が存在していて、構造上心柱は五重塔の組込みとは接続はされていない。心柱が五重塔の本質ともいえるものであり、例えば韓国に現存しているものでは、心柱のみの塔もある。「五重塔はなぜ倒れないのか」(新潮選書)では、地震対策としての心柱も強調していた。確かにそれもあるだろう。でもやはりそれは五重塔の実ではないように思える。

幸田露伴の小説「五重塔」は五重塔が中心となった物語では決してない。でも小説の中には五重塔に関する秘密が幾つも挿入されている。無論、僕が書きたいと思っている書評(もしくは感想)も五重塔にまつわる話は登場しない。ブログに掲載できるのはいつになるかわからないが、小説「五重塔」全文を掲載したことをお知らせするついでにメモとして残しておくことにした。

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