2006/04/25

たんぽぽ



Dandelion, originally uploaded by Amehare.

タンポポが好きだという方は多い。Googleで「たんぽぽ」を検索したら約273万件がヒットした。植物としてのタンポポを調べようと思ったのだが、結局あきらめた。
人は「タンポポ」に何を投影しているのだろう。イメージとしては都会で人に管理されることなく、わずかな場所に自生する姿が雑草の強さをそこに見ているのかもしれない。タンポポがキク科であり、花の姿が菊に似ているのも大きいだろう。菊とタンポポを対項することにより、そのイメージがくっきりと浮かび上がる様に思える。
実際に関東で見かける殆どのタンポポは外来種のセイヨウタンポポと国内種のカントウタンポポの雑種なのだそうだ。(95%以上とのこと)

つまりは、セイヨウタンポポが種の存続を計るために、国内種のタンポポと結びつく戦略をとったということなのだろう。
日本列島は植物相の観点から見れば、終端に位置していると僕は思う。この列島から彼らは自らの力で海を渡ることができない。だから日本列島では生物は同種で交わり続けた。純粋のカントウタンポポはおそらく絶滅しかけていると思う。動物に対しては注目する人間もタンポポまでは目が届くことは少ない。

ここで純粋とは何かと問いかけすることは無粋かもしれない。カントウタンポポも元をたどれば何かの雑種かもしれないと思うからだ。だからといって消えてゆくのが自然とも僕は思わない。何故ならセイヨウタンポポをこの列島に持ち込んだのは他でもない人間なのだ。でもカントウタンポポを守ることは現状としては限りなく難しい。
僕はタンポポの何を自分に投影しているのだろう。タンポポを擬人化することでわかるのは自己の信念だけだろう。勿論僕はそれを承知の上で、それでもタンポポの姿に何かを求める。

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