2004/10/31

最悪の事態

香田さん死亡、政府に衝撃・自衛隊派遣延長論議に影響も
イスラム武装組織が香田証生さんを殺害したことに、政府は「最 悪の結果」と衝撃を受けている。今後は遺体の受け取りと日本移送への準備を急ぐとともに遺族へのサポートにも万全を期す。サマワで復興支援にあたる自衛隊 の撤退要求を小泉純一郎首相が拒否したことに対する世論の理解は得られるとみているが、12月14日に期限を迎える自衛隊派遣の基本計画の延長論議に影響 するのは必至だ。(NIKKEI-NETより抜粋)

色々と政府は慌ただしくなりそうですね。香田さんのご家族の事を思います。なんともやるせない気持ちで一杯です。ただこれ以上はもうやめます。香田さんのご冥福を祈っています。

追記:今後、香田さんの死について色々な話が出てくると思う。できれば、何故助けることが出来なかったのか、どの様に対応すれば助かる可能性が少し は出てくるのかを、関係者で話し合って欲しいと願う。ああいう危険地帯に行かない限り問題ないとの意見が出れば、それこそ危機意識としては最低だと思う。 世界には、そして多分日本でも、危険地帯は至る所にある。テロに屈しない等との無能な意見だけは聞きたくはない。なぜならそれは別次元の話だと思うから だ。
(2004/10/31 21:00)

エマ


秋葉原では3年ほど前からメイド喫茶が流行っているらしい。「らしい」というのは、一度も行ったこともないし、興味もなかったから、あること自体知らなかった。知ったのは友人から教えてもらったからで、妙に和むと彼は言っていた。

どうも店に入った所から演出は始まるらしくて、「お帰りなさいませ、ご主人様」と来るらしい。それらの演出は秋葉原にある、8店舗のメイド喫茶毎に 趣向を凝らしていて違うらしいけど、共通点は全てメイドのコスチューム。コスチュームは白いカチューシャに黒いワンピース、そしておきまりの白いエプロ ン。始まった当初は、男子学生が多かったらしいけど、それからサラリーマンも来だして、今では女性客も多いらしい。ちなみに女性客の場合は「ご主人様」で なくて「お嬢様」となるとの事。(これらの記事は、友人の言葉と、2004年10月30日産経新聞記事を参考にしました)

これは19世紀イギリスの典型的なメイド姿だ。
何故、興味がないと言っている僕がそんなことを知っているかと聞かれれば、話は簡単で、漫画「エマ」にはまってしまっているからだ。

「エ マ」(作者:森 薫)は、メイド正当派の漫画らしく、よく売れているらしい。絵に雰囲気があり、綺麗な装丁だったので立ち読みしたら、思わず引き込まれ て、4巻全部買って本屋から出てしまった。「エマ」に載っていた作者の後書きを読むと、この漫画は作者の好きなものを全て描いているとの事で、確かに楽し んで描いている様子がよくわかる。

それに、あらすじも正当派英国恋愛漫画で、ストーリーも登場人物も時代背景もしっかりと描かれていし、上品だ。英国恋愛漫画と書いたのには理由がある。貴族階級とメイドの恋愛だからである。男性の名前はウィリアムで、その父親がウィリアムに向かって言う言葉がある。「英国には2つの国がある。貴族社会とそのほかだ」いかにも貴族階級の言いそうな言葉だと思う。

漫画が嫌いでなく、まだ「エマ」を読んでいなければ、是非ともお奨めする。現在も月刊コミックビームで連載中だけど、読むのなら既刊の単行本4巻で一気に読んで欲しい。続きが読みたくなり、第5巻目が待ち遠しくなると思う。

「エマ」の雰囲気が知りたい方は、作者のサイト見てください。なかなか綺麗で楽しいサイトです。

「エマ」の話題から少し離れるけど、僕の大好きな映画の1つに「バベットの晩餐会」がある。考えようによっては、あれもメイド映画だったかもしれない。

「バベットの晩餐会」は1987年のデンマーク映画、原作はあのアイザック・ディネーセン(「アフリカの日々」しか読んでいないけど・・・)。
あ る貧しい漁村に身寄りのないバペットという女性が、敬虔なクリスチャンである老姉妹の元に来る。そこでメイドとして雇われた彼女は、ある時宝くじに当た り、莫大な賞金をもらう。そしてそのお金を老姉妹の亡き父親の記念日に、村人を招いて晩餐会を行うために使う。当初いがみ合っていた村人達は、バベットの 料理に触れることで、最後には仲良く気持ちが通うようになっていく。そんな話だけど、出てくる料理が素晴らしい。バベットは実はフランスの名シェフだった けど、フランス革命の為に、この漁村に逃れてきたのだ。

全てのお金を、老姉妹の晩餐会のために使ってしまった彼女に、姉妹は「お金を全て使って無くなってしまってよいの?」と聞くと、バベットは答える。
「貧しい芸術家はいません」

「エマ」の作者も、「バベットの晩餐会」の作者も女性。こういう事に性差もないのかもしれないけど、何か男性である僕から見ると、何かを生み出す力は女性の方があるように思えてくる。

2004/10/30

バーの話

昔からマティーニが大好きだった。それは多分にジェームスボンドの影響が強かったと思う。彼が愛飲するマティーニはウォッカベースでヴェルモットは1・2滴とか、これだけでもボンドの性格が想像できるから小説では重要な小道具だろう。

僕の場合はクラシックマティーニ専門、ジンはタンカレー、ヴェルモットはマルティーニが好み。
勿論自分でも造れるけど、やはりバーに行って飲む方が美味しい。それにバーでは違う楽しみもある。(タンカレージン専門の本がある。面白い本だったけど、友人にあげてしまった。再度購入しようとしたら、既に廃刊・・・・「タンカレー・マティーニA to Z」)

それは、バーテンへのオーダー注文だ。例えば、カウンターに座り、おきまりのマティーニを注文した後に、バーテンダーに話しかける。
「今日は会社で嬉しいことがあったので、色はスカイブルー、ほんのり甘く、飲んだときにすっきりして後口が残らない、その上でフィズ系のを作って」
そう言うと、プロであれば大抵のバーテンダーはイメージ通りに作ってくれる。差し出されたカクテルを見て、彼(彼女)の講釈を聞き、実際に飲んで味の感想を述べる。このやりとりがとても面白い。

実際、バーは僕にとってお酒の遊園地みたいなものだ。ただ一緒に行く人数は、バーテンダーとのやりとりもあるので、大勢よりは一人か二人が望ましいと思っている。

壁に並べられた、ラベルの美しい多くの酒瓶を眺めるのも楽しい。こんなお酒もあったのかと思うこともしばしばある。一杯のカクテルで、長時間楽しめることが出来るので、トータルでは結構安い遊び場だと思う。

勿論、頻繁には行かない。僕はお酒は殆ど飲まないので、バーに行くのは年に3?4回くらいだと思う。よく行く店は渋谷の「門」という老舗だ。「門」 は1つのビルに3店舗入っている。元々は一人のオーナーだったけど、3人の息子さんが引き継いで別々の独立した店になったと聞いた。

僕が行く「門」は地下の「八月の鯨」か3階の「門」のどちらかだ。「八月の鯨」のカクテルは全て映画の題名になっている。勿論客からのオーダーも受け付けている。その場合も映画の題名を言えば、バーテンダーがそのイメージにあったカクテルを作ってくれる。それも又面白い。

3階の「門」は落ち着いた感じが気に入っている。さすがに老舗だけあって、バーテンダーの技術も意識も高いので、十分に遊べる。バーテンダーは一種の職人の感じがして、僕は人には「すし職人」を例えて説明する。そのくらい奥が深いと言いたいのだ。

「門」以外のバーにも立ち寄ることも時にはあるけど、マティーニの味で今後も通うか決める。マティーニは単純なレシピだからこそ、バーテンダーに よって味が大きく変わるカクテルだからだ。技術的には日本のバーテンダーは高いと思っているので、よほどの場所に行かない限り、はずれることはないとは思 うけど、技術的なことで気にする事もいくつかある。

まず、氷を音を出さずにステアすることが必須条件となる。オリーブの種類も重要だ。レモンピールの香り付けの仕方も大事だし、なによりもクラシックタイプとの注文がそのまま通じなければ話にはならない。

名前だけは昔から知っていて、行きたいと思いながら行けずにいるバーがある。「リトルスミス」「バー東京」というバーだ。知っている人も多いと思 う。店長の保志さんは、国際カクテルコンクールで優勝した経験を持つ。保志さんの事だから、きっと素敵な空間を作ってくれるとは思うけど、銀座の高級バー の一角にあるので、怖くて近寄れないのが本音。ちなみに、銀座には保志さん以外にも、日本バーテンダー重鎮の毛利さん(この人のカクテルの本は面白かっ た)、バーテンダー日本一の大槻さん、などの有名なバーテンダーが多く集まっている。彼らのオリジナルカクテルは写真でしか見たことがないけど、とても綺 麗だった。

混乱する香田さん情報

イラクで人質となっている香田さんの情報が二転三転した。発見された遺体が最終的に香田さんでないことが確認されたが、混乱した情報は香田さんのご両親にとっては地獄の責め苦だったと思う。

発見された遺体は誰だったのだろうか?イラクでは路上に多くの死体があるのかもしれないが、その数分だけ、香田さんのご両親にとっては不条理な責め苦になっていると思う。

イラクでは、今回の戦争で既に10万人以上の方が亡くなっていると聞く、戦争前はフセインの圧政でも苦しんでいたとも聞いている、イラクが外国から危険地帯のレッテルをはずす為に、あとどのくらいの期間と死が必要なのだろうか?
もしくは、イラクが危険地帯であることのレッテルなど意味がないのかもしれない、一番大事なことは、イラク国民にとって安心して生活が出来ることだと思う。でもそれがあって、そのレッテルがはずれるだろう事を思えば、あながち無縁でもないと思う。

しかし、今回の香田さんの情報の混乱は凄かった。初め、遺体が見つかったと報道されたとき、すぐにその遺体は香田さんではないと否定された。その後 に香田さんらしき遺体が見つかったとの報道があり、それは時間が経つ毎に、未確認だとしながらも、報道自体は確定の内容を呈していた。その後に、その遺体 も香田さんでないことが確認されたが、その間の僕の気持ちは恥ずかしながら揺れに揺れた。

最初に見つかった遺体と後からの遺体は別の方だったのだろうか?それも含めて報道には謎が多かった様に感じる。ニュースソースとか、誰がどの程度まで確認した話なのかとか、が要領を得ないまま、情報だけが先に来た印象を受ける。

それにしても、何故に僕はこのように香田さんの消息に気持ちが動くのだろう。それは同胞意識からくる感情に他ならないと思う。僕にとって同胞意識とは一体なんだろうとかと考える。でも現時点では、うまく説明が出来ない。

実は、誤りであった「ほぼ確定」報道を聞いた時、僕が最初に思い出したのは、以前に八王子であった強盗殺人事件だった。未だ犯人が捕まっていない事 件だが、その際に女性3人が銃で殺されている。女子高校生二人が至近距離で後頭部に、主婦のパートも同様だったと思う。記憶なので正確ではないかもしれな いが、その無慈悲な殺害を思い出した。

香田さんの事件と八王子の強盗殺人事件を同じ次元で見るのは間違えている。でも、何故かその事件を僕は思い出したのだった。人の行動はその人の考え を表しているとすれば、明らかに八王子での強盗殺人は、お金目的で殺人は証拠隠滅の行動だと思う。その際に、証拠隠滅の相手が人であることは関係なかった のだろう。香田さんを人質に取っている人は、イラクが危険地帯で外国人は入ってくるな、の意思表示により相手を殺すのかもしれない。そのあまりにも自分勝 手な無慈悲な行動に対して、全く無関係な2つの事件が僕の中で結びついたのだと思う。しかも人質を取った側の声明は一切聞かされてもいないので、なおさら その感を深くした。

僕は、今回の報道が誤りであったと聞いた後も、しばらくは上記の思いに囚われていた。

蛇足だが、一部メディアでは「ほぼ確定」を「確定」として取り扱った感じがする。そして街頭でインタビューまで試みている。その行為はマスメディア として恥ずかしい行動ではないのだろうか?聞かれた街の人にとっても迷惑だった事だろうと思う。(後で気がついたら、この記事も含め、一連の誤記事は削除 されていた)

今回のメモを読んでみると、かなり支離滅裂だ。でも日記として自分の気持ちの状態を残すために、そのまま掲載することにした。

2つの家族


新潟県中越地震で土砂崩れに巻き込まれてなくなった、皆川貴子さんと長女真優ちゃんの通夜が29日に行われた。単身赴任で東京に離れて暮らす夫の学さんは妻と長女の優しくて楽しい思い出を語ったとの話を聞いた。
夫であり父である学さんの気持ちを考える。

また、イラク人質事件の香田さんのお母さんとお兄さんが東京の日本外国特派員協会で記者会見した。お母さんは消え入りそうな細い声で息子の事を話された。

この2つの家族は、つい1ヶ月前までは自分たちがこのような状況に身を置かれるとは思いもしなかったと思う。現時点の僕の様に。でも、もしかすると明日にでも自分の身に降りかかるかもしれない話だと考える。もしかすると被害者の立場になっているかもしれない。

だから何だと言われたら、ただそう思ったとしか言いようがない。何の益にもならない話かもしれない。ただそう思うからこそ、この2つの家族に思いは募らせ、かつ身につまされる感情が沸いてくるような気がする。多分僕と同じ気持ちになっている人も多いと思う。

何かおきた時に、自分の力で対応できる人は、ごく限られた人のような気がする。ビルゲイツの様なお金持ちか、どこぞの国のフィクサーの様な人か、腕力が異常に強い人とか・・・

僕などはその点全くだめだ。香田さん一家と同様に、最初は何をしたらよいのか全くわからないと思う。そして実際の対応は人に頼むしか方法はない。

災害時と香田さん救出への対応に、国がどの様な行動をしてくれるかで、安全で安心してこの国で生活を送れるかが見えてくるような気がする。人が自由に発言し行動し、かつ働くためには、安全と安心感が必要だと僕は思うからだ。

依然として8万人以上の方が避難生活を送られている。家は壊れ、先祖から住み慣れた村は廃村の可能性さえある。何とか早く元の生活に戻れるように、そして香田さんが無事に生還できるように、国はどう行動するのだろうか、そして僕は何が出来るのだろうか。