秋葉原では3年ほど前からメイド喫茶が流行っているらしい。「らしい」というのは、一度も行ったこともないし、興味もなかったから、あること自体知らなかった。知ったのは友人から教えてもらったからで、妙に和むと彼は言っていた。
どうも店に入った所から演出は始まるらしくて、「お帰りなさいませ、ご主人様」と来るらしい。それらの演出は秋葉原にある、8店舗のメイド喫茶毎に 趣向を凝らしていて違うらしいけど、共通点は全てメイドのコスチューム。コスチュームは白いカチューシャに黒いワンピース、そしておきまりの白いエプロ ン。始まった当初は、男子学生が多かったらしいけど、それからサラリーマンも来だして、今では女性客も多いらしい。ちなみに女性客の場合は「ご主人様」で なくて「お嬢様」となるとの事。(これらの記事は、友人の言葉と、2004年10月30日産経新聞記事を参考にしました)
これは19世紀イギリスの典型的なメイド姿だ。
何故、興味がないと言っている僕がそんなことを知っているかと聞かれれば、話は簡単で、漫画「エマ」にはまってしまっているからだ。
「エ マ」(作者:森 薫)は、メイド正当派の漫画らしく、よく売れているらしい。絵に雰囲気があり、綺麗な装丁だったので立ち読みしたら、思わず引き込まれ て、4巻全部買って本屋から出てしまった。「エマ」に載っていた作者の後書きを読むと、この漫画は作者の好きなものを全て描いているとの事で、確かに楽し んで描いている様子がよくわかる。
それに、あらすじも正当派英国恋愛漫画で、ストーリーも登場人物も時代背景もしっかりと描かれていし、上品だ。英国恋愛漫画と書いたのには理由がある。貴族階級とメイドの恋愛だからである。男性の名前はウィリアムで、その父親がウィリアムに向かって言う言葉がある。「英国には2つの国がある。貴族社会とそのほかだ」いかにも貴族階級の言いそうな言葉だと思う。
漫画が嫌いでなく、まだ「エマ」を読んでいなければ、是非ともお奨めする。現在も月刊コミックビームで連載中だけど、読むのなら既刊の単行本4巻で一気に読んで欲しい。続きが読みたくなり、第5巻目が待ち遠しくなると思う。
「エマ」の雰囲気が知りたい方は、作者のサイト見てください。なかなか綺麗で楽しいサイトです。
「エマ」の話題から少し離れるけど、僕の大好きな映画の1つに「バベットの晩餐会」がある。考えようによっては、あれもメイド映画だったかもしれない。
「バベットの晩餐会」は1987年のデンマーク映画、原作はあのアイザック・ディネーセン(「アフリカの日々」しか読んでいないけど・・・)。
あ る貧しい漁村に身寄りのないバペットという女性が、敬虔なクリスチャンである老姉妹の元に来る。そこでメイドとして雇われた彼女は、ある時宝くじに当た り、莫大な賞金をもらう。そしてそのお金を老姉妹の亡き父親の記念日に、村人を招いて晩餐会を行うために使う。当初いがみ合っていた村人達は、バベットの 料理に触れることで、最後には仲良く気持ちが通うようになっていく。そんな話だけど、出てくる料理が素晴らしい。バベットは実はフランスの名シェフだった けど、フランス革命の為に、この漁村に逃れてきたのだ。
全てのお金を、老姉妹の晩餐会のために使ってしまった彼女に、姉妹は「お金を全て使って無くなってしまってよいの?」と聞くと、バベットは答える。
「貧しい芸術家はいません」
「エマ」の作者も、「バベットの晩餐会」の作者も女性。こういう事に性差もないのかもしれないけど、何か男性である僕から見ると、何かを生み出す力は女性の方があるように思えてくる。
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