会社の喫煙室で煙草を吸いながらウサギとカメのことを考えた。あるウサギとあるカメの競争は特定の者たちだけではなくウサギの種族全体とカメの種族全体のその後に影響を与えた。単に個別な話でしかないのに。負けたウサギ側にとっては他のウサギたちには迷惑な話だ。あるウサギはカメに確かに負けた。でも誰だってウサギの方がカメよりも早いことを知っている。とそこまで考えた後にちょこっと気がついた。この競争した距離はどのくらいだったのだろうと。もし距離が札幌から鹿児島だったら、きっとスタミナのあるカメが勝ったに違いない。その前にウサギが津軽海峡を越えられるはずもない。過去に海を渡ったウサギはワニを騙したあのウサギしか知らない。しかもしれは出雲での話なのだ。ゴール寸前でウサギが寝てしまったのは疲れが原因だとすれば、距離を決めたのはきっとカメの方に違いなく、したたかな計算がそこにはあったのだろう。と、ここまでで一本を吸い終わる。
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