2012/04/22

クスノキ

午前中に近くの公園を散歩する。4月半ばを過ぎると若葉の青さが美しい。様々な緑が一本の樹木にも、そして木々の連なりの中にもある。これをどうやって表現すればよいのだろう。4月初めの大風により花が吹き飛ばされ裸になっていたコブシの大樹も新緑に覆われていた。近くによって眺めると脱皮し蝶になって羽を乾かしている様に開いたばかりの葉が連なっている。ケヤキはまるで自分たちの季節が来たと主張するかのように天に向かって葉を広げている。常緑の樹木にとってもこの季節は若葉の季節のようだ。特にクスノキは冬を越した濃い緑の葉のうえに重なるように若い葉が鮮やかな黄緑色で広げている。若葉が顔を出すと言うことは古い葉が落ちるということでもある。次の冬を乗り切る為の春の落葉。毎年変わることのない営みの中で、しかしそれぞれの葉にとっては今回だけの落葉が静かに行われている。今日は夕方から雨になるとのことだ。だからか朝から雲が厚い。青空であればもっとこの緑が日差しの中輝き空の青と相まってその美しさが際だっただろう。いやいやこの空模様だからこそ違った緑を見ることもできるのだとジョギングランナー達が大勢往来する公園でベンチに腰掛けて思う。

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