2006/12/23

HOYAとPENTAXの合併について思うこと

PENTAXのデジタル一眼を持つ僕としては、この話題に若干の興味を持っている。

両社の企業価値を考えれば、HOYAのPENTAX吸収合併が実際のところだと思う。株式の割り当て比率もそれを現しているし、今のところ表向きは対等合併の様相を見せてはいて、新社名にPENTAXの名前が残るそうだが、実態として対等だとは誰も思っていない。

合併経験者であればおわかりの通りに、新会社での力関係は、元のどの会社が人事権を掌握するかでわかる。新会社のCEOはHOYAのCEOがそのまま引き継ぐことを考えれば、管理部門の担当役員もHOYAの人材がなるように思える。

新会社の最重要課題は医療機器事業との事で、シナジー効果は研究部門に期待しているらしいので、おそらく旧PENTAXはカメラ事業のみ人事の体制を維持することになるのであろう。まぁ、それも中長期で塗り変わっていくことになるとは思うが。

それに、会社の業務の流れ、それぞれの役職ごとの決裁権限などの決めごともHOYAに準ずるとなれば、徐々にPENTAXらしさ、それが会社の規模とカメラ業界の位置づけからくるにせよ、変わっていくのかもしれない。

最近のデジタル一眼Kシリーズは、韓国との共同開発ではあるが、PENTAXの会社の規模とシェアからくるカメラ業界の位置づけ、つまりは背水の陣的な状況の下で可能な製品だったと思う。後発の商品だけに売れる機能を満載しているが、それでも例えば他の会社で製品化できたかは疑問だと思うし、PENTAXだからこそ商品化できたのだと僕は思う。

HOYAは高収益企業として知られている。それは企業の体質として悪いことではない。でも仮に、HOYAと合併後にKシリーズの製品化ができたかと言えば、高収益企業体質ゆえに、それは難しかったのではないだろうか。

これも僕の想像だが、おそらく、PENTAXは今回のHOYAとの合併は織り込み済みで、その前にK10Dの製品化を計画したのだと思う。販売実績は当然に新会社での部門の評価につながる。K10Dの成功は、それが一時的にせよ、新会社におけるカメラ事業の旧PENTAXの強みにもなるし、資本の再配置においても有利に展開できる可能性がでてくる。

こう考えていけば、現在のPENTAX社員たちのマインドは、したたかで強いようにも思えてくる。まずは来年10月の新会社までの準備期間が、ユーザが期待するPENTAXらしさが新会社で残るか否かのハードルになると思うが、なんとか頑張るような気もしてくる。

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