花村よしこの言葉である。
「魔法使いサリー」の1部最終話での言葉だと思った。衝撃的な一言だと思う。第一すんなりと「魔法使い」という言葉が出るのが凄すぎる。
事前にサリーは、自分の正体をよしこちゃんとすみれちゃんに告げている伏線があるけど、それでも「魔法使い」はあまりにも現実離れしている。
それを淡々と言ってのけるところをみると、学校の火事とか何かで、よしこちゃんの頭が麻痺していたのかも知れない。頭が真っ白状態での言葉とも思うのだ。
例えば、仲良く付き合ってくれた異性が、実は結婚詐欺師だったとかに近い言葉かも知れない。正体を知ったとき、確かに頭は真っ白になる事もある。
「サリーちゃん、あなたは結婚詐欺師だったのね」
しかし、これではあまりにも酷すぎる。第一、結婚詐欺師と魔法使いを一緒にしてはサリーちゃんに申し訳ない。でもそんな感じで驚くとき、よしこちゃんの思いを胸に抱く。そう考えれば、よしこちゃんの言葉は日常でも大いに使えるように思える。
でも最近この言葉に対し認識を新たにした。よしこちゃんはサリーの正体を知っても、彼女の本質もきちんと知っていた。友達思いの優しいサリーの本質はよしこちゃんとって何ら変わりはなかった。魔法使いであっても、サリーとは友達であるのは変わりはない。だから、すんなりと彼女が魔法使いであることを認めることが出来た。
そう考えると、よしこちゃんが素晴らしい人物の様に思えてきた。すべからく、他文化が共存するこの国において、見習うべき点がただある。
しかし、これは親が子供に持つ気持ちに近いかも知れない。
「サリーちゃんは強盗したけど、本当は優しい子なんです」
例えが悪かった・・・やはり強盗と魔法使いを同じにするのはよくない。
よしこちゃんは、父子家庭で母親変わりに三つ子の面倒を見ている。アニメ1部では個人タクシー運転手を父に持つが、原作では八百屋の娘である。明朗活発、常に前向き、姉御肌だけど優しく情に篤い。まさに自立した人でもある。
学校の火事の際、サリーは魔法を使ってしまう。目の前で魔法を使ったことにより、よしこちゃんとすみれちゃんの記憶からサリーは消されてしまう。
これは最悪である。よしこちゃんの人間性を魔法界は信じていない。人間をひとくくりにしていて、その中の一人としてよしこちゃんを見ている。
「サリーちゃん、貴方は魔法使いだったのね」と語るよしこちゃんの表情を見れば、彼女が信頼に足る人物であることは明白である。それはすみれちゃんも同様だろう。
サリーの記憶がなくなったよしこちゃんは、サリーとの歴史的事実が欠落している。サリーはよしこちゃんのことを憶えているので、20年くらいして出会ったとしても、よしこちゃんはサリーのことを把握できないだろう。知らないんだから。
でもサリーはよしこちゃんのことをわかると思う。
これは双方にとって、特にサリーにとって残酷なことである。そう考えると、記憶を無くす罰というのは、よしこちゃんに向けられるのでなく、サリーに向けられている。残酷な刑罰だと思う。
でもきっと、サリーは王女様になり、魔法界と人間界の素晴らしい架け橋となり、様々な問題を解決してくれると信じている。
などと思わず熱く語ってしまった・・・話は尽きそうもないがひとまず終わる。
追記:正体が魔法使いで良かったかも知れない。
「サリーちゃん、あなたは男だったのね」
これだといくら人格者であるよしこちゃんでも友情は消えていくことだろう・・・
魔法使いサリーのページ
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