久しぶりに友達と会うことになりそうだ。その友達とは数年あっていない。昨年から再開したメールのやりとりで久しぶりに会いたいと書いたら春になったら会っても良いと返事が来た。でも最近は体調がよくないらしい。彼女は乳癌で腫瘍があった乳房を全摘出手術をしている。手術後は放射線治療だとか投薬だとかで、その治療の都度具合が悪くなる日々が続いているらしい。ただ幸いなことに半年ごとの検査では再発はないとのことだった。
彼女と最後にあったのは全摘出手術をすることが決まった時だった。実を言えば、その時に僕は彼女の全摘出する乳房を触った。おそらく彼女自身以外では最後にその乳房を触った最後の人かも知れない。柔らかくとても素敵な感触の乳房だった。この乳房に腫瘍があるとは僕にはとても思えなかった。誤解をする方もいるかもしれないので言えば、僕らは最初から最後まで友人関係だった。会えばお互いの出来事を話し合った。だから僕は彼女の生活のこととか、特にご主人のこととか、子供たちのこととか、彼女が好きだった人のこととか、その人との別れのこととか、多くの彼女の身に起きたことを自分のことのように知っている。また出会えば同じようにお茶でも飲みながら話をすることになるのだろう。
何故か理由は知らないが、ある意味僕は彼女に選ばれたのだと思う。彼女自身の存在の証として。誰かが言っていたが、人の出会いは一期一会なのだそうだ。その本当の意味をその人が知っているかはわからない。でもある程度の年齢を重ねれば、また彼女と僕のような状況になれば、その言葉は単なる言葉だけではなく実感が伴って感じると言うよりはまさしくそのままの情況として在るように思うのだ。
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