2005/04/04

詩を書く

つくづく才能がないとおもう
だから笑止できる人にだけ公開します。
amehare

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言葉を忘れた
その彼方にある何かの呟きにも似た呻きの一言
(それが言葉だ)
異界の者とは誰だろう
欄干の外から内を覗く者とは
ふと目をやるその瞬間に消え去る者とは

幻影かも知れぬ
もしくは深夜にマラルメを読む罰が当たったのかも知れぬ

(言葉を忘れた)
(忘れたのは語法かもしれない)
こうして言葉を織り込んでいるではないか

夕飯時に近くの公園を歩いた
桜は3分咲き
酒宴の喚声が到る処で聞こえるその中を
桜の木肌を触りながら
よからぬ事を考えていた
あれはつい半日前のことではなかったのか

いまでは遠い昔の話
石に刻まれ
雨に打たれ
摩耗しきった物語の断片
濡れた記憶の切れ端

言葉にならぬ思いを綴るには
何かをなくさねばならぬ
(何をだ)
繰り返し引かれる取消線
ハイフンで分断された単語の悲鳴
括弧で括られた主語と目的語

提示され、論証され、記述されるまえに
言葉を言葉でないものにしなくてはならぬ

そうしなければ
僕らは前に進めない
死者と語り合えない