2005/04/26

JR福知山線 列車脱線・転覆事故

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兵庫県尼崎市のJR福知山線で起きた列車脱線・転覆事故は通勤、通学客に多数の死傷者が出る大惨事となった。どうしてこのような最悪事態を招いたのか、脱線の原因はどこにあったのか。JR西日本や国土交通省、警察当局は徹底した事故原因の究明が必要である。
(産経新聞 4月26日 社説から引用
当然のことを言わなくてはならない時と場面がある、今回はまさにそういう時だと思う。
なによりも、73名(26日 8時55分現在)の犠牲者に哀悼の意を捧げ、生存者の救出を願わずにはいられない。

多くの場合、事故は予想する場面に起きているような気がする。例えば、「いつかおきると思ってましたよ」といった言葉に代表されるような。その場合、問題は既に現出していた、ということになるのだろう。

勿論、問題が現出していてもいなくても、真の原因は別の所に横たわっている場合が多いし、問題の組み合わせと連鎖の中で、最悪の場合、重大事故に発展していく。でもそれさえなければ、といった原因はそこに在るように思う。

しかし、今回の事故は謎が多いように思う。最初、事故を聞いて信じられなかった。地図で福知山線の経路を追ってみた。近郊都市間の連絡用として使われるだけあり、少なからずカーブが連続する。また、今回事故があったカーブはRがきついとも思えない。事故が起こる場所というのはあると思うが、どうもそのイメージに今回の場所が合致しないのだ。

手前に石の粉砕痕があるとのことだが、どれほどの石なのかは不明だが、それが脱線に繋がるような石だとすれば、明らかに脱線を意図するような目的があることになるが、石の運搬、他の人(例えばマンションの住民)に見とがめられる恐れもあることから、脱線に値する大きさとも思えない。レール上に何らかの細工が為されていたとの報道もない。

報道される事実は、130Km以上であれば脱線する可能性が大、当該電車は120Km以上の速度は出ない(設計上)、前の駅でオーバーランしている、乗客はいやにスピードが出ていると感じていた、事故目撃者も同様に速度が出ていることを指摘している、運転手は11ヶ月目、ジュラルミンの軽い車体、1分30秒の遅れ。

速度というのは感覚的なものなので、実際は不明だが、証言から時速70Km以上であったのは間違いないように思える。しかし問題は70Kmの持つ意味である。
運転手が教育などで、時速130Km以上であれば脱線すること、車両は時速120Km以上出せないこと等を、事前に情報として知っていれば、70Kmの走行理由は単に時刻通りに運行するための情報に過ぎなくなるのでないだろうか。
今回の事故を新聞などの報道記事で思うことはそういうことだ。

まず、ジュラルミンの軽い車体で、130Kmでの理論的検証は行っているのだろうか、その軽さと諸条件(坂・加速・風向き等々)で、設計上の制約である時速120Km以上出るというこことはないだろうか。さらに、オーバーランと定刻を過ぎての運行に対する罰則規定は運転手にどう影響を与えているのだろうか。

つまり、今回の重大事故で報道記事により浮かび上がるのは、JR西日本の企業体質と言うことになる。それは安全管理とかの問題ではなく、もっと本質的な企業文化としてのことである。そしてそれが、運転手の身体にどう影響を与えていたのかということだと思っている。

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