2005/01/10

日本のファーストフード会社トップ5に公開質問状

cinemacafe.net」では映画「スーパー・サイズ・ミー」公開前に日本のファーストフード会社トップ5に公開質問状を出している。
内容とその結果はここを参照。

トップ5とは「日本マクドナルド」「モスバーガー」「ロッテリア」「ケンタッキー」「フレッシュネス」の5社。

実際何のトップ5か正直わからなかった。1日のハンバーガー販売個数なのか、売上げなのか、利益なのか。でも公開質問状のサイトを観ればわかるが、単なる映画の話題集めを目的とした内容であるので、気にする必要もないのだろう。

公開質問状は一見もっともな書き方で目的を説明している。

「業界を揺るがす問題作の公開を前にファーストフードの実情を探るべく、日本トップ5のファーストフード会社に公開質問状を送付。ファーストフードは本当に健康に悪いのか?ハンバーガーの未来は?各社の反応はいかに?」(cinemacafe.netサイトから)

つまり今回の公開質問状は以下の点を目的としている。
1)ファーストフードの実情を探る事
2)ファーストフードは本当に健康に悪いかを知る事
3)ハンバーガーの未来像をしる事
4)質問状を送付する事による各社の反応を見る事

その結果、公開質問状の回答は「日本マクドナルド」と「ロッテリア」の2社のみが行って、残りの3社は未回答とのことだった。未回答の3社についてサイトでは以下のように言っている。

「食生活を脅かし兼ねないファーストフードから自身を守るには情報が必須なだけに、私たちがおかれている状況は一目瞭然だろう。比較すると、ロッテリア、そして『スーパーサイズ・ミー』でまさに渦中の企業であるマクドナルドが、ファーストフード自体の害悪はさておき、情報開示という社会的責任を果たしているといえる。」(cinemacafe.netサイトから)

僕は質問は、質問する側の立場と目的を明確にした上で行うべきだと思っている。尚かつ質問に対する回答は公平に扱い、回答に対する精査も質問者の方で行うべきでは無いかとも思う。今回の質問の目的が、ユーザからの情報開示が主であれば、その旨の質問を行うべきだし、その場合質問内容は自ずから違って来るとも思う。

公開質問状の質問内容を確認したが、質問者は企業としての回答を求めているのか、当該企業に勤めている社員の個人的意見を聞くために質問をしているのか、質問レベルの統一が為されていない。
また、日本マクドナルドに厚生労働省の資料を指摘されるなど、基本的な知識を持ってもいない。さらに、全体を通じて、質問内容が目的に向かって流れているとも思えない。

また、これらの回答を得た後に、それを扱っての行動が、質問内容と各社の回答をただ掲載するだけとなっている。つまり嘘でもなんでも、とりあえず回答すれば「cinemacafe.net」では社会的責任を果たしたと言うレベルが何ともはや可笑しい。

目的が日本人の肥満化を中心に見たファーストフードの悪弊を証明するのであれば、自分たちで各社のハンバーガー類をサンプリングし、成分調査と栄養学的な見地からの調査を行い、その上で各社の回答について論じるべきではないのだろうか。

僕がこの公開質問状から得られることは、企業として、どの様な質問であっても「質問状に回答する」という仕組みを持っているのが、この2社である事がわかるだけである。
他の3社は、オーソライズされた回答を持っていないか、持っていても回答が公平に取り扱ってくれない恐れ(映画を広報する立場からの質問)から、差し控えたに過ぎないと思う。

日本マクドナルドの回答は、手慣れた感じを受ける。既にファーストフードのあらゆる質問に答えるマニュアルを持っているのだと予想する。それはグローバル企業として、今回の映画を含め、種々様々な批判があることにより、育ってきたノウハウとも言える。

逆にその様な企業と対峙するためには、質問する側も周到な準備と理論武装が必要なのだ。稚拙な質問は、いくら話題作りでも行わない方が良いとさえ思う。

企業側の立場から見ると、つくづくこれからの企業は大変だと感じてしまう一幕でもあった。

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