2005/01/26

アエラ記事「独走iPod対国産」を読んで思うこと

200501268e7766fc.jpg「アエラ」(05.1.31号)に記事「独走iPod対国産」が掲載していた。この記事を読んで幾つか思うことがあった。

「米アップル社の昨年10月?12月期決算書が四半期業績で過去最大となる前年同期比74%増の34億9000万ドルを記録。実にその40%をiPodとその関連事業が占めた。市場占有率は米国で3割超、日本では4割を占め、iPod現象が起きている。」(同記事から引用)

記事によれば、iPod独走の理由として以下の点を上げている。

1)iPodのハード面から見た優位性。
・優れたデザインと単純な操作性。
・HDDタイプなので、相当数の曲データを収納でき利便性が増した事。
2)iTunes(音楽管理ソフト)が優れている。

僕が面白いと思ったのが、音楽配信を行っている企業が挙げている理由が、上記1)のハード面の優位性であり、ソフトウェア開発業者があげているのが2)の音楽管理ソフトの優秀さだった。つまりは発言する企業が、触れたくない部分(音楽配信の価格と著作権の問題)と、触れたい部分(ソフトウェア開発)を述べているに過ぎない様に思える。

それらはそれで間違いはないが、僕が思うに日本でiPodが売れた理由は、自社のコーディック(AAC)だけにこだわらない姿勢とデザイン性であり、それ以上に米国での人気の波が日本に伝わった事だと思っている。

そして、米国でiPodが売れている理由は、iTunes Music Storeでアルバム内1曲単位での安価な音楽配信ビジネスの成功によるものだと思っている。

日本の場合は、SONYなどの自社コーディックへのこだわり、ネットでの音楽配信ビジネスの立ち遅れによる製品との一体化した囲い込みが不十分、等の失敗で出遅れてしまった様に思える。

例えば、iPod発表当時においてHDDタイプは東芝の製品があったし、音楽管理ソフトはSONYが開発したソフトもかなり優れていると思う。しかし、東芝製品はiPodより操作が重く、SONYのソフトは自社製品にしか添付されず、MP3等の標準コーディックに対応するにはそれなりの対応が必要で手間がかかった。

記事では、SONYを含む各家電メーカーが打倒iPodにむけて新製品を次々に出していくと宣言していた。特にSONYは新たなHDDタイプの「ウォークマン」を出し、さらに音楽配信サービスのさらなる展開を行うと言っていた。

新しいHDDタイプの「ウォークマン」には正直興味がそそられる。しかし、iPodと同じ技術を使って、同じ価格帯での参入であれば、非常に厳しいビジネスを強いられることになるのは間違いない。(例えばNWーHD3の様に)
ただ、新しい「ウォークマン」が新技術(例えばHDD容量比でのさらなる小型化)か、きわめて安価な価格帯であれば、話は違うかもしれない。

日本において、まもなくiTunes Music Storeが運用を開始すると聞く。いずれにせよ、今年においてiPodを取り巻く、音楽配信ビジネスを含めた状況に目が離せないと思う。

(画像はiPod2世代目)

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