2005/01/05

中国で日本のリンゴが売れている

20050105457842db.JPG日本のリンゴが中国の富裕層に売れているらしい。リンゴは平安時代に中国から渡ってきた果物で、最初は小粒の野生種だった。江戸時代にはりんご園ができ、広く栽培もされるようになった。明治になりアメリカから大型のリンゴ品種が入り、絶え間ない品種改良の結果、今では日本のリンゴは、世界一値段が高く世界一美味しい「味の芸術品」と呼ばれるようになった。

その日本のリンゴが中国の富裕層に人気が高まり売れている。値段は中国産の10倍以上の価格だが、それでも年々輸出量は伸びていると聞いている。
(具体的に言えば、ふじ1個が360円前後らしい)

元々日本にくる留学生の間で、日本の米とリンゴは、デジタルカメラとMDプレイヤーと並ぶ代表的なお土産だった。特にお米はお土産にするととても喜ばれる。農作物における日本の品種改良の積み重ねは、他国では一朝一夕には真似出来ない状況のようだ。

中国で日本のリンゴが売れている理由として大きいのは、まず品質が高いこと、糖度が計測してあり、糖度のばらつきが少ないこと、等があげられている。中国の方は果物に甘みを求める傾向があるとのこと。

しかしやはり一番大きい事は、中国の富裕層が自国の農作物に対する不信感の表れからだと思う。中国では大量の農薬を使用する。それに較べると日本のリンゴは安全だというのだ。中国では日本のリンゴはブランド化し始めていると言うことだろうか。

一時期日本でも中国の農薬の多さが問題になったことがあった。でも考えてみると、中国の人口は約13億人であり、いくら国面積が広いと言っても、食物を育てるのに適している場所が限られている以上、国民を飢えさせない為には、農薬の使用は現状では致し方ない部分もあるのかもしれない。ただその結果、富裕層とその他の層の食糧事情に大きな差が出ているのは間違いない話だと思う。貧しい人達は大量の農薬によって育てられた食物を食べることになる。

逆に日本でのリンゴの消費量は年々下がっているらしい。確かにリンゴは日本でも高い。しかも他の果物に較べて大きく、個食の時代では1人1個を食べるのは難しい。しかも他の果物に較べ、食べるのに手数がかかることもネックになっている。

ただ、食品栄養学的に言えば、リンゴは「カリウム、カルシウム、食物繊維、ビタミンC、有機酸が豊富に含まれ、高血圧や動脈硬化の予防に役立ち、また、アメリカの研究者グループからはガンの抑制効果があることも発表されています。コレステロールや血糖値を下げ、中性脂肪を減らす働きもあり、現代人の健康増進にはぴったりの果物(平成14年11月7日神奈川新聞掲載)」といえる。

健康食品として見たときに、かなり優れた果物であることは間違いない。

僕は父の実家が青森と言うこともあり、幼い頃から果物と言えばリンゴだった。逆にバナナとかイチゴ・メロン・梨・ブドウに憧れる結果になってしまった。日本にはリンゴ以外にも多くの果物があり、どれも総て品質が高い物ばかりだ。日本の農業は外国からの安い食品に押され気味ではあるが、この際中国の富裕層と駐在日系向けに輸出に目を向けるのも良いかもしれない。中国・台湾は日本に近いため鮮度も落ちずに輸出可能である事だし。

ただ、その結果日本では安い外国産、中国富裕層などでは品質が良く美味しい日本産の果物を食べる棲み分けになったとしたら、笑えぬ話になるとは思うが・・・

0 件のコメント: