2005/01/08

新日本人

日経ビジネス「Associe」(01.18)での特集「新日本人度チェック」によると、日本人は1996年から1998年を境に大きく変わったそうだ。それによると「新日本人」の特徴は以下の通りらしい。
1)価値観は現実主義に
2)仕事にはきわめて真面目
3)人間関係・恋愛観は自分重視
4)生活・消費観はより賢く



全体をみると、かなり合理的になったらしい。チェック項目の中で面白い内容があった。

・昼休みにビールを飲んで構わないと思いますか?
・勤務中に私用電話は構いませんか?
・お中元、お歳暮は毎年欠かさずに贈っていますか?
・情報に対する全般的な処理能力が高い方だと思いますか?

「新日本人」の意識では、昼休みのビール、私用電話は「NO」。お中元とお歳暮に等の仕事関係の付き合いも{NO」。情報に対する処理能力については「YES」となっている。

これらは96年?98年を境に、変化が出ているとのことだった。昼休みのビールについては、それ以前では約1/4の人が構わないと言っていた。それが今回では1/10にも満たない結果となっている。

会社と個人の係わり方が変わったのかもしれない。今までは個人と会社との関係が曖昧だった部分が、96年から98年を境に、そこに明確な線引きがされてたかのように思える。しかも、ネットによる情報収集が盛んになり、グローバルな視点で情報を扱うことに慣れてもいる。確かに「新日本人」と日経が言うのも無理はないかもしれない。

96年から98年に日本では、国内総生産(GDP)が下落、実収入および貯蓄純増も下落、年間の自殺者は98年に一気に1万人も増えているそうだ。さらに消費税が5%に引き上げられたのも97年。銀行の破綻が相次ぎおこり、金融不安の言葉が盛んに使われたりもした。

つまり一連の不安が、こうした意識変化につながっていると日経では分析している。1990年代は「失われた10年」でなく、もしかすると最も日本人にとって、変化の10年だったのかもしれない。

僕はこの日経の記事を読んで思ったことがある。「新日本人」として意識の変化が大きくあったのが正しい場合、意識の変化が旧態依然の人も当然にいると思う事から、意識の断絶がそこに出てくるのではないだろうかと言うこと。
その断絶は、今まで言われている世代毎でも、性別でも、キャリア別でも、年齢別でもなく、全く新しい線引きがそこに産まれるようにも思えてくる。

それに、合理的なことは良いことだけでなく、元々持っている日本人の曖昧さが薄まる事につながるのではないかという懸念も僕にはある。曖昧さは、確かにグローバルの世界では通用しない部分があるかもしれないが、争いを避ける知恵でもあったように思える。それは、曖昧さの中に、相手を思いやる優しさがそこには必要だと思うからでもある。

いずれにせよ、日本人のこうした意識の変化は、ビジネスをする上でも気にしておく必要があるとは思っている。

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