「世界の自動車メーカーが今後の主力となる新型車や試作車を問う北米国際自動車ショーが米ミシガン州デトロイトで9日開幕した。」(読売新聞 記事1 記事2)
2004年の北米における日本車の勢いは強く、初めて米国ビックスリーのシェアが60%を切り、日本車が30%を超えたという。
勢いの要因は、ガソリンの値上げによる低燃費車の見直しと、環境問題からのハイブリッドカーの人気だ。両者とも米国車よりは日本車の方に一日の長があった。
米国ビックスリーは危機感を強め、今回の北米国際自動車ショーへの意気込みは強いと聞く。
さらに昨年は米国の牙城とも言われたピックアップトラック市場にトヨタと日産が本格参入した事もビックスリーに危機感を募らせた一因であったとも聞く。今年は日本車の勢いを米国車が止めるか、さらに明暗を分けるかの年になるのかもしれない。
その一方で、日米のメーカーを脅かす歩を着々と進めているのが、韓国と中国のメーカーだ。今回、中国車は北米国際自動車ショーに参加していないが、開催数日前に北米への参入を発表した。
「中国車が北米に進出することになった。米自動車輸入販売会社のビジョナリー・ビークルズは3日、中国の自動車メーカー、奇瑞汽車(安徽省)の乗用車を輸入販売することで合意したと発表した。」(FujiSankei Business)
同一クラスの日本車に比べて約30%も低価格で売り出す。新興勢力といっても、技術面は日米に学んできている。さらに記事によると10年間10万マイル(約16万キロメートル)の走行保証付きと、かなり意欲的なサービスも提供するそうだ。
日本メーカーは、最初小型低価格で北米に参入し、クラス毎に徐々に市場を占めながら、上位車種に移行してきた。今では高級車種クラス、そして米国牙城のピックアップトラック市場への参入も果たし、上位クラスでは既に全ての参入が完了したと思う。逆に言えば、一番企業として危ない時期にさしかかっているとも言える。
何故なら、中国車が参入を開始したクラスは、日本車にとって利益率が低く、その事が結果的に中国車の参入を静観するしかない状況を作り出している。しかし、手をこまねいていると、いずれは現在の地位を脅かされることになるのは必至だと考える。中国車は最安値車種で約40万円と言うことだ。その価格帯であれば、アジア諸国および中国市場でも十分に魅力的な価格になる事だろう。
現在、北米の自動車産業は日米の戦いの様相を呈しているが、日米にとって真のライバルは、もしかすると中国・韓国車なのかもしれない。
画像は「米デトロイトの北米国際自動車ショーで、ホンダが発表した新型スポーツタイプ多目的車(SUV)「RD―X」(共同)」
0 件のコメント:
コメントを投稿