パタゴニアの製品は子供の頃から既にブランドであり、僕は一種のあこがれをもって眺めていた。やっと パタゴニアの製品を手に入れた時は本当に嬉しかった。そのパタゴニアにアロハシャツがある事を知ったのもその時分だと思う。パタゴニアのアロハシャツと聞 いたとき、なかなかイメージが出来なかった。パタゴニアでは「パタロハ」と呼んでいるらしいそのシャツは、始めて現物を見たときデザイン的にもなかなか秀 逸だと感じた。
ただし、このパタロハは期間限定品で毎年デザインが変わるので、気がついたときには既に在庫が残っていない事も多いようだ。
実際今年こそは買うぞと何回思った事だろう。でも僕の事だから、夏の喧噪の中ですぐに忘れ、思い出すのは秋風の吹く時期になってからが殆どだった。
パタゴニアは僕にとっては特別のブランドであることは間違いない。使い道のなかった使用済みペットボトルからフリース素材を始めて作ったし、農薬の 少ないオーガニックコットンを全面的に使っている。また利益の1%を環境団体に寄付したりもしている。その取り組みは僕が子供の頃から行い続けていた。最 初は器具を使ったロッククライミングから山を傷つけないクライミングへの提唱を始めた会社なのだ。そんな事を言っている所はほとんどない時代の話である。
でも残念な事にパタゴニア製品は全般的に言って高い。「パタロハ」だって日本円で1万数千円もする。レーヨンのアロハシャツだったら、渋谷にでもいけば、流行の柄でも千円台で購入可能だというのに。
でもアメリカでは(日本でも)パタゴニア製品は売れている。ローハス(LOHAS)と呼ばれている層がある。健康と環境を意識して生活する人々の事 だけど、最近アメリカではこのローハス層が消費に影響を持っていて、この層に支持を受けている企業は成長しているという話も聞いた事がある。
そしてパタゴニアはローハス層に支持をもっとも受けている企業である。
その状況は勿論日本でも同様だと思う。企業の環境を考慮している各種の広告を見ればよくわかる。でも実体はどうなんだろうと、同じ会社員として組織の中で行動する時、疑問を持つ時が多々ある。
以前、請求書の紙を再生紙に切り替えようと提案した事があった。今では再生紙となっている紙も、その時点ではコストが高いからと言って担当部署は受け付け てもくれなかった。その後ブームになり、ブランド作りの一環から再生紙に切り替えようと逆に相談を受けた事がある。その時は再生紙を作る過程で(紙を白く するために)化学薬品を大量に使う事を知り、僕は逆に反対した。でも結果的に力およばずで再生紙に切り替わった。つまり企業は利益を追求し成長し続ける事 が目的だから、経済的動機につながらない環境問題は昔からポーズの様に感じられるときがあるのだ。
でも時代は確実にポーズだけではすまされない所まで来ていると思う。そして消費者もその点を十分に認識していると思う。それがローハス層として企業に影響を与える消費層になっているのだと思う。
ところで、既に季節は初冬、まだパタロハは在庫が残っているだろうか・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿