2004/10/28

「動画対応は間違い」とジョブズ氏

「われわれの競争相手がやっていることを見ると、動画の方へと動いている。だが、動画は大きすぎ、重すぎる上に携帯プレーヤーの画面は小さい。動画は、こ れから進む方向としては間違っていると思う。正しいのは写真だ。(デジタル写真の増加により)皆がコンテンツを持ち、著作権を有している」とジョブズ氏は サンノゼで開かれた発表会で語った。(ITMediaより
競争相手とはSONYの事だと思う。iPodと当該SONY製品の売上げ台数をみれば、ジョブズ氏が自信をもって今後の方向性を論じる背景もわかるような気がする。

でも問題は、その製品のコア機能が明確になっているかどうかだと思う。iPodは製品コンセプトを携帯音楽プレイヤーとして明確にし、その後に補足機能とし てメモ帳とかカレンダー等の機能を追加している。勿論そのデザインが秀逸だった事も大きなポイントだと思う。また、コア機能からネット上に音楽販売ポータ ルサイトを立ち上げ、それにも成功している。iPodを含め、これらのAppleの展開は利用者から見ると非常にわかりやすかった。これが成功の要因の大 きな1つだったと思う。

SONYの場合はそれが明確ではなかった感じを受ける。動画機能をコアとした製品であれば、その様に消費者に向かってアピールすべきだった。でもSONYはiPodの呪縛から逃れる事が出来なかったようだ。

また、ジョブズ氏の発言が、現在のiPodにおいての動画展開を言うのであれば、僕も話を理解する事は出来るが、今後の方向性を断じているのであれば、異論をはさむしかない。

なぜなら、それらはジョブズ氏を含むメーカーサイドが言うべき言葉ではないと思うからだ。決めるのは消費者である我々だと思う。

画面が小さいのであれば、その小さな画面に合わせた動画をコンテンツとして提供すればいいと思う。ましてや、今回の「iPod Photo」にはAV外部出 力も可能だと聞いている。自分のお気に入りの動画を、友人宅で見せたい人も中にはいるかもしれない。その人達にとっては、重さや若干の値段の高さは受け入 れられる範囲かもしれないのだ。

ジョブズ氏はもっと明確にわかりやすく言うべきだったと思う。動画機能を追加したiPodは、現状より遙かに値段高くなり、重たくなり、Appleでは売れないと経営判断しましたと。その方がより聞く方としては気持ちが良いと思う。

もしかすると、SONYの様に、iPodの位置づけが曖昧になる事を恐れたのかもしれない。その時は、iPodのコア機能は音楽専用プレイヤーなので、 Appleの音楽ポータルサイトより、ビデオ音楽クリップと音楽を一緒にして配信すれば、iPodの位置づけを変えることなく、サイトの付加価値を高め競 争力がより増すと思うのだが、どうなのだろうか?

いずれにせよ、技術革新によって、重たさも価格も、今後変化して行く事は間違いないと思うので、Appleが将来に動画用の携帯プレイヤーを販売する様に思えて仕方がない。

その時、ジョブズ氏はどの様に発言するのか、今から楽しみだったりしている。

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