2004/10/10
Googleニュースに感じた違和感
僕はWebブラウザーとしてIEを使っている。最近IEのホームサイトをGoogleニュースに切り替えた。ここで言いたい事は切り替えた理由ではない。僕にとって、本年9月頭からスタートしたGoogleニュース日本語版は長く望んでいた Google提供のサービスの一つだった、ネットの目的の一つが情報の検索であるならば、それは当然の帰着と言えると思う。でも最近GoogleニュースのTOPページを見て、何かしら違和感を感じ始めている。
始めそれがどこから来るのかわからなかった。例えて言えばネットで見つけた最高のデザインのTシャツが家に届き、初めて袖を通して着心地が多少悪かった時の感じに似ている。デザインも色も最高なのに何か自分の身体に合っていない着心地の悪さだ。それは素材の違いかもしれないし、微妙なサイズの違いかもしれない。
最近その違和感の理由が見えてきた。それは今回のイチロー選手の活躍に負うところが大きい。僕の知る限りにおいて、イチロー選手の活躍がGoogleニュースのTOPページを飾った事は一度もなかった。勿論それは分単位で更新するGoogoleの事だから、たまたまの事かもしれない。でも少なくとも僕にとってはイチロー選手の記事を読みたいときはGoogleニュースは役に立たなかった。Googleニュースでイチローの記事を見つけるには、スポーツカテゴリからさらに一段深い所を探さなくてはならなかったからだ。イチローの件で役に立ったのは各新聞サイト(TOP記事としてイチローの記事を掲載しているのが多かった)もしくは大リーグサイト日本語版だった。
そのような目でGoogleニュースのTOPページを見てみると、違和感は具体的になっていった。例えば2004年10月4日16:45時点での「Googleニュース」と「読売新聞サイト」のTOPニュースの項目は以下の様であった。
どちらがより身近に感じる事が出来ただろうか?個人差が当然あるので優劣を決める事は出来ないと思うけど、僕にとっては読売新聞サイトの方が性に合っている感じがする。
Google ニュースは、さまざまなニュースソースからニュースを検索して集めたうえでグループ化(クラスタリング)や分析技術を利用して、ポータルのようにまとめて見やすくしたWebページ。(中略)同じような記事のうち、どの記事が上位に表示されるのか。その点についてチャン氏は、「PageRankの応用で 100以上の要素によって決まる」と述べる。
(Googleニュース日本語版、直リンク問題を抱えてスタート)
つまりはGoogleニュースに何が載るかはGoogleのアルゴリズムによって決まる。今回技術的にはGoogleで培われた物ばかりなので、ニュース検索サイト構築においては日本語という2バイトコード処理に関する事のみであった様に思われる。
>米グーグルが英語版のGoogleニュース(ベータ版)を開始したのは2002年9月。それから日本語版の提供まで2年近くかかった。その理由の1つとしてチャン氏が挙げたのは、「日本語などの2バイト言語の処理などの開発作業」だ。(Googleニュース日本語版、直リンク問題を抱えてスタート)
でもちょっと待って欲しい。ニュース検索サイトと言えどもどのニュースを載せるかは大事な話だと思う。そしてどのニュースを載せるかの判断はその国の状況(例えば歴史、文化、流行、経済状況、等々)を反映していなければならない様に思える。
僕にとってGoogleニュースはその点において(他のニュースサイトに較べ)まだ未熟のように思えてしまう。出来れば2年の期間の間に技術的な側面だけでなく、日本の状況をもっと識る事が必要だったのではないかと思うのだ。
そうであれば、単純にGoogleニュースを使わなければ良いのでないかと言われるかもしれない。でも僕はしばらくはこの着心地の悪さを承知しながら Googleニュースをホームサイトとして使い続けると思う。理由は簡単だ。着心地が悪いからと行っても最高のデザインのTシャツだからやはり着てしまうのだ。もっと良くなると期待も込めているのも事実だけど。
運営してから一ヶ月経ったGoogleニュースの評価は高いようだ。
「Googleニュース」登場の衝撃(デジタル ARENA)
いくつものサイトが書いている事だが、問題は著作権の考え方で、大手通信社と新聞社の中には強い拒否反応を示したところがいくつかあったようである。でも別な視点で存続を危ぶむ声もある。
『Googleニュース』、3年経ってもベータ版であり続ける理由(HOT WIRED日本語版)
それはGoogleニュースが収益を上げられないという事実だ。チャン氏も素直にその点を認めている。「ビジネスモデルはない。いいビジネスモデルがあれば教えてほしい」
確かにGoogleニュースの仕組みを考えれば収益をあげる事の難しさがわかる。でも数少ない「わくわくさせる企業」の一つであるGoogleにはがんばって欲しいと思わざるを得ない。そしてもっと僕たちを色々な意味で楽しませて欲しいと思っている。
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