2004/11/08

超重元素合成に成功

今までに確認されているどの元素よりも重い原子番号113の元素合成に、理化学研究所などのチームが成功した。元素の発見・合成はこれまで外国勢の独断場だっただけに、日本初の超重元素合成は「オリンピックの金メダル以上の価値がある」(理研)成果。
(産経新聞 2004/11/8朝刊より抜粋)

この記事を読んだ時、理研の研究者の御苦労が実を結んだ事に拍手を送りたいと思ったのは事実。
ただ、如何せんそれが何?という気持ちも恥ずかしながらあったのも事実だ。科学に疎いと言われればそれまでだけど(でも一応理科系なんですけど・・・)何か具体的にピンとこない話であった。

産経新聞の科学欄に掲載されていたこの記事は、紙面のほとんどを使って紹介していたが、その内容は実験内容と成功の素晴らしさを喧伝するだけに止 まっていたのもあり、それが一体どの様に大変な事かがいまいち理解できなかったのが大きい。その記事から見えるのは、実験の仕方の他、この分野ではアメリ カ・ロシア・ドイツの独断場であった事、新元素に対して命名権が与えられる事、中学の教科書に周期表の復活につながればいいと研究者が期待している事、だ けだった。

これはあくまで素人想像だが、新元素の発見は応用技術として、新素材、新エネルギー、もしくは他の分野での基礎技術として繋 がっていくのかもしれない。今後の利用における可能性を含めて、現在各国が、新元素の合成にある程度の力を注いでいる理由を書いて欲しかった。書く事で、 科学が好きな子供達に夢を与え、その分野の次につながるように思えたのだ。

書いて欲しかったのにはもう一つ理由がある。それは、人は、人 が行う多くの行動(例えば政治・経済・文化等の活動)について、早い段階で知り、概ねその内容を理解する事ができると思う。勿論、その理解はそれぞれの立 場で変わるが、その行動に対しそれぞれの立場で、時には応援し、時には批判し、時には傍観する。そしてそれらの幾つかが、よい意味でのチェック機能になっ ている事も多い様に思える。

でも上記のような基礎科学の話になると、これは想像だが、恐らく興味を持つ事さえ、政治などに比べても、人数 は少なくなるのでないかと思う。しかし、科学の発展が、時として知らぬ間にわれわれの生活に大きな影響を与えていく事は事実だと思うし、それがよい面に向 かえば幸いだが、全てがよい結果にならない事も我々はすでに知っている。基礎科学の研究より応用の段階でチェックをすればよいと言われるかもしれないが、 早いうちに警鐘があげる事ができれば、それにこした事はないと思う。

クローン技術、遺伝子工学、原子力、医療技術及び薬品などは既に社会的に認知され大いに議論されている。僕はその他の基礎技術に関しても同様に行ったほうが良いのではないかと思っている。まずは情報の開示だと思うがどうだろうか?

勿論、今回の成果に対して言っているのではなく、今回の事で素人ながら拙い考えだが、自分なりに気になった。

追記:
人 工的につくられた元素に発見との言葉に違和感があった。元素レベルであれば人工的に合成可能であれば、自然界にも存在する可能性はあるという事で、「発 見」という言葉を使ったのだと思うが少し気になった。その点も書いて欲しかった。さらに、各国が元素合成研究を行う事が、将来どの様な利権を期待している のか気になったのもある。しかし、何も書いていない以上、気になる事は自分で調べるしかないのかもしれない。

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