2004/11/18

ボーダフォンの音楽ダウンロードサービス

ボーダフォンは米国時間10日、世界13カ国で3Gサービスの提供を開始した。3Gサービスの中には 音楽のダウンロードサービスも含まれている。現在日本での展開は未定だが、ターゲットとする国の中に日本がはいっているので、いずれサービスが開始する可 能性は高いと考える。(関連記事)

このブログではKDDIの「着うたフル」の事を何回か書いているので、ボーダフォンが提供する音楽ダウンロードサービスについても考えてみたいと思う。

ボー ダフォンとKDDIの音楽ダウンロードサービスの違いを、3G対応携帯端末の機能で見てみると、その考え方が違うことがわかる。日本でもボーダフォンの 3Gサービス対応の携帯端末は各種発表されているが、音楽ダウンロードサービスが行っていない事もあり、英国ボーダフォンで発売した「SONY Ericsson V800」で行う。

「SONY Ericsson V800」(以下V800)は日本で発売予定の「802SE」と姿はほぼ同じだ。機能面でも音楽関係をのぞき同等と見て良い。
ボー ダフォンが提供する音楽ダウンロードサービスのコーディックの詳細は掴んではいないが、V800の端末機能ではMP3(可能なレートは不明)コーディック での音楽を聞くことが可能となっている。また日本でもそうだが、ボーダフォン3G携帯はUSBでPCとの連携が可能のため、MP3でPCに録音した曲を携 帯端末に移動することは可能と思われる。

この点についてCーNETでも「価格のほうは1曲あたり1.5ポンド(約300円)となるが、ユーザーが自らの所有するMP3ファイルをUSBやBluetooth経由で携帯電話機に取り込むこともできるようになる」と伝えている。

では携帯で購入した音楽をPCに移動する事は可能だろうか?その点についての詳細は著作権保護の仕組みが不明なので、現時点では僕にはわからないが、おそら く難しいと思われる。携帯端末を使って購入した音楽は、その端末でしか聴けないと考えた方が現状では妥当と思われる。ただ、PCからの音楽転送は可能なの で、PCからネット購入し著作権保護されていない曲であれば(つまり自分で購入・レンタルしたCDをMP3に変換した曲)、携帯に転送し聴くことが出来る ので、KDDIの「着うたフル」よりはユーザよりのサービスと考えて良いと思う。

ただ、携帯端末自体が内蔵しているメモリは16MBと少 なく、外部メモリ(V800の場合メモリースティクDuoPro)をいれて最大で1Gとなるが、1Gの外部メモリカードは高額のため一般的には約 250MB程度と考えられる。つまり多くの利用者は出かける時に音楽を入れ直す必要が出てくると思う。

その点についても、CーNETでは 「ハードディスク内蔵型の3G携帯電話がおそらく1年以内に登場すれば」と前置きして、iPodに較べ「ボーダフォンは一気に優位に立つことになる」と 言っている。つまり、PCとの連携が出来るので、容量さえ増えれば、単独で好きな時と場所で音楽をダウンロードできる携帯の方が有利だと言うことなのだろ う。

本当にそうなのだろうか?現時点でその結論は尚早だと思う。それは「1曲の購入単価が高い」の一言で十分だと思う。それに欧州と言っ ても多くの国があり、そこには言語と文化も自ずから違う。音楽はその文化に根付いている部分が多いと思うので、ダウンロード販売する曲の内容も検索などの インターフェースも自ずから違ってくると思う。それでいて、米国の音楽を主にすればiPodを中心とした音楽ダウンロードサービスと競合することになり、 価格での優位性を持つことが難しい。つまり、ボーダフォンは音楽販売サイトのシステム構築から壁にぶつかるのではないかと想像する。また各国毎にその国の 音楽業界と交渉を行う事になる。多分日本の状況と大差ないと考えられるので、音楽業界の意識が変わらない限り、iPod並の価格は難しいようにも思える。

とどのつまり、機械とか技術の問題ではなく、音楽業界の考え方と文化の問題なのだろうと思う。それでもKDDIの「着うたフル」より、出発点としてはだいぶ正解に近いようには思える。後はボーダフォンのこのサービスにかけるリーダシップ次第かもしれない。

個人的には、MSのWMP10と連携することが出来れば、それだけでも幾分前記の問題が緩和され、非常におもしろい展開を迎えることが出来ると思うのだが・・・

ところで、日本のボーダフォンがこのサービスを発表しないのは、やはりKDDI「着うたフル」の様子を見ているからだろうか?

画像はV800のアクセサリーでBluetoothでのハンドフリーヘッドフォン

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