2005/02/11

NTTドコモ「N900iL」

最近携帯端末の話題が多い。今回はNTTドコモ「N900iL」について書きたいと思う。実はこの製品はコンシューマ向けではなく法人向けの製品だ。昨年の11月中旬に販売を開始しているので、既に会社で使われている方もいるかもしれない。本製品には今後コンシューマ向けに展開されるであろう技術が使われていると思うことから個人的に少し興味を持っている。

使われている技術は、802.11b/VoIPで、屋内ではIP電話として使うことが出来る。802.11bはご存じの通りに無線LANの規格でもある。無線LANのアクセスポイントはSIPサーバー経由でネット、もしくは公衆網にアクセスすることになる。

携帯端末に802.11b等の無線LANの規格を実装することの意味は、まさにここにあると思う。またこの携帯端末ではインスタントメッセージ(IM)の送受信も出来る。勿論IMのプレゼンス機能も当然に装備している。

プレゼンス機能とは、IMを立ち上げたときに、IMが立ち上がっている登録者にその事を告げたり、現在の自分の状況を通知する事が出来る機能だ。具体的に言えば、「会議中」とか「取り込み中」とかの状況を相手に知らせる事になる。この携帯を持っていれば、社内にいるときは一目で現在の状況がわかることになる。

現在企業の内線は徐々に携帯端末化しているように思う。それは、オフィス自体が特定の机を持たずに、適時空いている場所を机にする「ロケーションフリー」に向かっている事と無縁ではない。だから、今後は所在地まで明示されることになっていくように思う。この「N900iL」はまだそこまでの機能は持ってはいない。

この製品をコンシューマー向けとして考えた場合、環境面で幾つかの問題があると思う。
1つは、公衆無線LAN環境は拡充しているが、本携帯機能を生かすサービスおよび設備が整っていないこと。もう一つは、新しい技術を装備しているとはいえ、長い目で見れば、携帯に実装する技術としては主流ではないと思われる点だ。

ただ仮に、コンシューマー向けとして売り出した場合、新たなネットビジネスが創出する可能性は高いとも思う。そしてそれは、今後の携帯ビジネスにおいて重要な知識になるようにも思えてくる。そう言う意味では、法人向けとしてのみ展開することは少し残念でもある。

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