2005/02/09

システムは頑固者

「でも、やっぱり、システムを動かしているのは人間なのだから。システムの背後にいる人間に向かって、ばかやろー、と言い続けても私はそんなにむなしくない。」
(田口ランディ「システムに道を説く」から引用)

▼システムを造ったのも人間、運用するのも人間、その通りだと思う。それにシステム自体が人間にとって新しい考えのようにも思える。ただ人って、システムの中では与えられた役割の中で動いてしまう様な気もする。

▼システムは頑固だと思う。何故ならシステムは幾つもの信念で造られているからだ。人間でも強い信念を持っている人は、時として素晴らしいリーダーシップを発揮する時もあるけど、信念が原因で回りの変化が見えなくなってしまうときもある。

▼信念を強く持っている人に「ばかやろう」と言ってみても、埒もいかない。その人の信念を揺らがす事が、多分一番効果がある様に思う。信念は経験で強まるような気がする。だとすれば、その経験の元をたどって、違う経験を再度体験させればいいのかもしれない。

▼僕にとって、システムを変えると言うことは、そう言う手順が必要な気がする。

▼実を言うと僕も高校の時に1つ悟ったことがある。それは「人間が行う総ての行動は人間的である」という定義だった。高校時代は僕にとって一番賢かったときだから、今でもこの定義を僕は信奉している。でもその時は、システムなんて言葉は身近ではなかった。

▼身近になったのは、ここ20年くらいの話だ。それからは、システムという見方で物事を見るようになった。この見方は便利だったし、逆に色々な新たな姿を見せてくれた。でも逆に人間が見えなくなったのも事実だ。

▼それはシステムによって人間が隠れたと言うより、人間がいなくなったという方が実感しやすい。在るのはシステムだけ・・・。でもこういう見方って、何かが変だとも思う。

▼だから、NGOの方がランディさんに言った意味が、僕には何となくわかる。ただ少しだけ違うのは、言うべき相手かもしれない。システムは頑固だから、直接言うのでなく、システムの回りにいて、まだ見えている人間に対して言うべきだと思う。そうすればまだ虚しく感じないのかもしれない。

▼別に根拠がある訳じゃないけど、そんな気がしている。

0 件のコメント: